【Pick Up Owner #33】WELCOMEタイ沼|「好き」を発信できる楽しさ
タイのドラマ、それもBL(Boys Love)を描いたドラマが注目を集めているのをご存知だろうか?タイと言えば料理や旅行、というイメージはもう古い!?コロナ禍に配信という形で一気に裾野を広げ、今や日本国内では毎週末のようにタイ俳優のファンミーティングが開催されているほど。
そんなタイのエンターテイメントを愛し、日本向けに紹介するべく立ち上がったポッドキャスト「WELCOMEタイ沼」。
「会いに行けるオタク」ことパーソナリティ・白蝶(はくちょう)と「ウェルタイと沼っコ(オタク)をまとめる長」ウェルタイDの2人に、「タイ沼」の魅力やファンダム(ファンの集団)の熱量など、現在進行形で拡大を続けるタイエンタメの“沼”を訊いた。
- 「今、コロナ禍でタイがアツい」
- ハッピーになれる!タイBLドラマ沼
- 推し活のジレンマ
- 今求められているのは「共感」
- リスナーから生まれた企画
- オタクによるオタクのためのグッズを製作中
- 友達を作る場に
- 沼友?
■「今、コロナ禍でタイがアツい」
ーーー 「WELCOMEタイ沼」というポッドキャスト番組について、ご紹介をお願いします。
ウェルタイD:
「WELCOMEタイ沼」(以下、「ウェルタイ」)は、タイのエンタメの情報をお伝えしていくというコンセプトで立ち上がった番組です。
その当時、2020年の12月くらいというのはまだタイのエンタメ情報を発信している媒体がなかったんですよね。「知りたい」という人はすでにたくさんいたので「じゃあ、その情報を発信する番組を作ろう」と思ったのがきっかけでした。
もともと私がラジオ関係の仕事をしていたのもあり「ポッドキャストはラジオよりももっと狭いテーマでやったほうが面白い」という認識はあったんです。ポッドキャストで番組をやるとなったらどんなジャンルがいいのかと考えていたところに、学生時代からの親友である白蝶さんから「今、コロナ禍でタイがアツい」「エンタメを紹介するような番組もない」と連絡が来まして(笑)
白蝶:
本当にひとつもなかったんですよ、当時。
ウェルタイD:
語学講座とか旅行番組はたくさんあったんですが、エンタメに特化したものはなくて。 「それなら!」と思って始めました。
とはいえ白蝶さんはあくまでタイドラマのオタクで、ドラマこそめちゃめちゃ見ていたんですが別にタイの文化に詳しいわけでも、タイ語を喋れるわけでもなく…。「ただタイのドラマが好きな人」だけでは番組が成立しないので、当時Twitterで界隈のカリスマ的存在だったYuriという女性にパーソナリティを頼んで、Yuriと白蝶の二人でスタートしました。
彼女は日本とタイのハーフで、タイ語・英語・日本語を喋れるトリリンガル。その頃からSNSでタイの情報やエンタメ文化を発信したり、タイ語の翻訳とかもしてくれていたんです。
白蝶:
Yuriさんと私はかなり前からTwitterで繋がっていたんですが、タイ沼がちょっとずつ広がっていくにつれてYuriさんのアカウントもどんどん大きくなっていってて。
エンタメのことがわかって、かつタイ語も日本語もできるという人自体がいなかったんですよ。タイBLのオタクはいても、日本語ができない。日本語はできても、タイBLやエンタメに詳しい人がいない。両方が揃っている人となったら、これはもうYuriさんしかいないなと!
■ハッピーになれる!タイBLドラマ沼
ーーー そんなにも「沼ってしまう」タイBLドラマの魅力を教えてください!
白蝶:
コロナ禍で家にいるしかない時期に「おっさんずラブ」にハマりまして…。そうしたらまだ何も知らない状態の私のYouTubeのおすすめ欄に、タイのドラマが偶然出てきて。「なんだろう、これ?」と開いてみたらなんと全話無料で配信されていたので、とりあえず見てみたら「新しかった」んですよね。
タイのBLドラマというのはもう本当に明るくてオープンな雰囲気。例えば主人公が同性を好きになったと言っても、周囲の友達が驚いたり拒否感を示したりというようなマイナスの反応をしないんですよ。もちろん明るいだけで終わるのではなくて、カミングアウトのような問題にもしっかり向き合う姿が描かれているのが衝撃的でした。
そういう「明るくてあったかい世界でのBL」というのをあまり見たことがなかった気がして。今でこそ日本も地上波でBLドラマが放送されたりしていますけど「おっさんずラブ」が流行る前はそうそうなかったですよね。
そもそも私は日本のBL作品に特別詳しかったわけではなくて、むしろ「おっさんずラブ」が流行るまでは暗めというか「世間から隠れての恋愛」のような作品が多い印象を持っていたくらいで。明るくBLを描いていたからこそ「おっさんずラブ」にハマったし、イメージも変わりました。
「おっさんずラブ」が革命的な作品になったということは、タイBLというのも日本人にとって新鮮なんだと思います。だから日本のBLが好きな人も二番煎じじゃなくて、新しいジャンルとしてハマれるのかなって。
だって…とにかく幸せになれるんですよ!ハッピーになれる。もちろん感情を動かされるようなシーンもいっぱいあるんですけど、最終的にはタイの「マイペンライ精神」というか。「大丈夫だよ」って考えが作品に表れているのがすごく心地いい。
やっぱりそれが沼にどんどんハマっていく魅力なんじゃないかなと思います!
ーーー 確かに「おっさんずラブ」は衝撃的でした。「昨日何食べた?」とか。
ウェルタイD:
あと、タイのBLドラマはカップルを演じた2人がドラマが終わってもバラエティ番組に一緒に出てくれたりとか、課外活動をしてくれるんですよ。作品が終わったとしてもカップルとして終わらない活動をしてくれる、というのはタイならでは。
ドラマが終わってもカップルの2人を見続けられる喜びがある。SNSで一緒にいることを匂わせたりとかもあって(笑)夢を見続けさせてくれるのも新鮮なんですよね。
ーーー それは日本ではかなりレアというか、ほぼないですね。供給が続く…
白蝶:
タイのBLドラマって、同じ事務所所属の俳優でカップルを組むということが多くて。だから違うドラマでもまた共演したり、一度カップルを組むとその作品が終わっても同じ組み合わせで別作品のカップルになったり、というのが結構あるんですよ。これは日本だとないじゃないですか。
ウェルタイD:
カップルのキャスティングもちゃんとワークショップを開いて、いい化学反応が起きるかとかをちゃんと見るみたいですよ。誰でもいいわけじゃない。
ーーー オーディションのような選考がされる?
白蝶:
2人の相性を見るのに時間を割くんですよ。最初からこの人がこの作品のメインカップルになるとは決まっていなくて、何人も候補がいる中でどの組み合わせにどういう化学反応が起きるかをしっかり確かめた結果、主役になったりサブカップルになったりというのが決まる。
だから本当に相性のいい2人がカップルを演じているんです。最高です。ドラマが終わっても、その2人はそもそも仲がいいからずっと友達なんです。
ああ、アツくなっちゃった…(笑)
ーーー 実際に仲のいい俳優さんだとやっぱり雰囲気も変わりますよね。「見ていてハッピーになれる」のがタイBLドラマの魅力、と。
■推し活のジレンマ
ーーー コロナ禍から流行り始めたタイBLもかなり広まってきた印象ですが、逆に供給が多すぎて「推し疲れ」することってありませんか?
ウェルタイD:
それこそ、流行り出したコロナ禍の間はみんながYouTubeの無料配信を見ているだけだったからある意味平等だったんです。でも最近「このジャンルはお金になるぞ」ということに気付かれてしまって(笑)
今はもう毎週末のようにファンミーティングが開催されるようになっているんですが、どんどん値段が上がってきていて…。
それを毎週誰かしらがやっているから、ファンミが始まった当初は「絶対推しに会いに行きたい!」「全部行かなきゃ!」となっていたのが気付けば「もうお金が続きません」となり。私たちは札幌に住んでいるので、毎回飛行機も取らないといけない。無理ですよ。
みんな平等に無料配信を見て推していたのに、実際に会えるようになったことでファンの間に差が出てきちゃったんですよね。
白蝶:
どうしても仕事や家庭の事情で遠征できない人ももちろん出てくるじゃないですか。そうなるとやっぱり自分との戦いというか…葛藤がね。他の人は何度も会いに行けているのに自分は一回しか行けないとか、行けてもお金が続かないとか、休みがそんなに取れないとか。それぞれが課題を抱え出している。
今まではコロナでみんなタイに行けないし向こうもこっちに来れなかった。本当にみんな一緒に同じものを見ていたのに、どんどん崩れてきて。「休みとお金がある人は会いに行ける」となるとやっぱりそこで色々なジレンマが生まれてくるというか。「どうやって自分が推していくか」の壁に直面している時期なんだと思います。
■今求められているのは「共感」
ーーー 既に100本以上ポッドキャストをアップされていますが、なかでも人気のコンテンツはなんですか?
ウェルタイD:
ポッドキャストって、月に何回聞かれたかなど全部がデータとして出るんです。それを見ると「タイの男性に聞くリアルな話シリーズ」が人気ですね。日本に住んでもう10年くらいのPop先生という方に「ドラマではこうなっていたけど、リアルではどうなの?」を教えてもらう企画です。
学生ものとかだとやっぱり常識がわからないことが多いので、先生の学生時代のことを実際に聞いては「本当にこうなんだよ!」「えーやばい!」みたいな(笑)
ーーー それはまた…男性に聞くあたりリアルなお話が伺えそう(笑)
ウェルタイD:
1人の俳優さんをフューチャーするZOOM in企画も人気です。こっちからまず「この俳優の話を教えてください!」とお題を出して、リスナーさんから「私の推しにはこんな魅力があります」「こんなエピソードがあります」というお便りを募集して、紹介していくという企画ですね。
あと、初夢企画というのがありまして。今年のお正月に2回目をやったんですけど、これは「妄想キャスティング」です。「このドラマをこの俳優でやってほしい!」という、ただのオタクの妄想を募集したところ…すごいバズって。
白蝶:
妄想キャスティングは毎回バズるんですよ(笑)
ウェルタイD:
だから初夢として正月明けに配信してるんです、勝手にみんなで夢見てる(笑)
白蝶:
「この推しカップルで日本のこのドラマをリメイクしてほしい」「このアニメをタイでリメイクしてほしい」「この二人のバディを見たい」とかね。それがすごい面白いんですよ。だって、「ちいかわ」とか出てくるんですよ。
ーーー ち、ちいかわキャスティング…!?
ウェルタイD:
「耳をすませば」とかもめちゃめちゃ面白かった。全員タイ俳優あてちゃうので、もう意味わからないことになってるんですけど(笑)「仮面ライダー」とかの戦隊モノも人気で。またオタク同士だと「その配役なんとなくわかる!」という感覚が合うんですよね…。
白蝶:
しかもそれが原作を知らない人用に、って「こういう内容で、こういうバディで、こういう魅力があって」とオタク心をくすぐるような紹介込みで、布教とセットで来るんですよ。
ウェルタイD:
どれもリスナーがお便りを寄せてくれないと成立しない企画ばかりです。みんな、とにかく自分の「好き」を言いたいんですよね…。
ーーー お2人は普段別のお仕事をされながら週に1本のポッドキャストを収録してアップして、さらにはコミュニティも運営して…と、なかなかにヘビーだなと思うのですが。ここまで情熱を維持し続けられる原動力はどこから生まれているのでしょうか。
ウェルタイD:
やっぱり「『好き』を発信できるから」じゃない?
白蝶:
うんうん。何より楽しいんですよ。
タイ沼も結構広がったんですけど、まだなかなかリアルな身近では同じ思いのオタクを見つけにくいなって。「タイ好きなんだよね」と言ったところで、「え?タイ?」みたいになることのほうが多くて。
だけどやっぱり「自分の熱い気持ち、盛り上がる気持ちを誰かに話したい!」という思いってあるじゃないですか。だから「ウェルタイだったら聞いてくれる!」とお便りをくれる人がたくさんいる。
この番組はとても小さな趣味から始まったものなのに「時間がなくてドラマはなかなか見れないけど、このポッドキャストだけでタイを感じられています」みたいなコメントをいただいた時には「ああ、やっていてよかったな、意味があったな」と思えましたね。どちらも本当に嬉しかったです。
何か新しい企画をやる時とかも…その企画だってテレビとかラジオじゃ絶対にできないような感じのくだらない企画なのに、みんな真剣に一緒に参加してくれるんです。
番組を始めた時の「タイのエンタメを伝えたい」という思いはもちろん今もあるんですけど、それにプラスして「リスナーさんと一緒に作り続けていく楽しさ」みたいなのが増えてるなと。
ウェルタイD:
…というか、今はYuriが体調を崩してお休みしているので「共感しか」届けることができないんです(笑)
白蝶:
そう!タイの有益な情報を提供できない(笑)
ウェルタイD:
タイエンタメの情報発信という意味では、最初の頃に比べれば翻訳をしてくれる有志や情報を教えてくれるSNSアカウントも増えてきているので。だったら今求められているのはどちらかというと「共感」なんじゃないかなと思っています。立ち位置や目線が同じ、というのは大事にしていきたい部分ですね。
■リスナーから生まれた企画
ーーー 初のリスナー発企画「KaoUp特集」についてもぜひ伺いたいなと。これはKaoUp(※)のファンダムである「KupAo」発の企画ということで。
(※KaoUp:タイドラマ「Lovely Writer」に主演したKao NoppakaoとUp Poompatの2人のこと)
白蝶:
あれは…すごかったんですよ。
KaoUp沼の人たちが「こういう特集をウェルタイさんにお願いできないかな」みたいな話をしているのは私のTwitterにもチラチラと届いてはいたんですが。こっちが企画を出して、それに対してたくさん反応をいただくということは今までもしてきていましたけど「特集をやってほしいから動こう」なんてムーブメントはさすがに初めてだったので、まずは様子見してみようと。
なのでちょっと振ってみたんですよ。「こんなことを考えてくれているのが嬉しい」みたいな感じで。そうしたら沼の人たちが早速「これを本気で企画として通してもらうのはどうしたらいいのか」という会議を開き始めて(笑)
ーーー 早速本気の企画会議が。
白蝶:
Twitterのスペースで「どういうハッシュタグつけたらいいか」「実現させるためにはどういうお便りを送るべきか」とか、そういうことをみんなで話し合って、実際に送ってくれたんです。
ウェルタイD:
リスナーのパワーですよ。
白蝶:
本当にそう。もともと特集する予定もなにもなくて、最初から完全にリスナーさん発。思い立って、企画を練って、その熱意を私たちにぶつけてくれた結果、実現しました。
ーーー 企画会議のスペース、4時間あったんでしたっけ。
白蝶:
3時間50分ですね(笑)さすがに全部は聞けなかった…。お便りもすごいたくさんで。こんなこと初めてだったから、2人で「これ、どうしよう…?」となったぐらい。
ウェルタイD:
ここまで来ちゃうと、どういう企画にするべきなのかわからなくて…(笑)
白蝶:
熱が高過ぎて!めちゃめちゃ嬉しかったですけどね。
ウェルタイD:
改めて沼の熱量を感じました。
白蝶:
ファンダムごとに結構色が違うんですよね。KaoUpのファンダムはみんな一緒にまとまって動く感じなんだなって。会社みたいだった。
ーーー やっぱりみなさん、熱をぶつける場所を求めているというか。
ウェルタイD:
「好き」を発信したいんだなって思いましたね。推しが褒められてるのを聞くのも純粋に嬉しいですし。
白蝶:
ファンの絆がいくら強くても、それが何かまとまった形になることってそうそうないですからね。だからウェルタイの一本の番組として自分たちが好きなものを特集してもらうことも、自分たちのファンダムの絆が形になるのも、どっちも嬉しいよなって。
■オタクによるオタクのためのグッズを製作中
ーーー ウェルタイの今後についても伺いたいです。夢として「俳優さんを呼んでお茶会を開きたい」と書かれていましたが。
ウェルタイD:
それが最終ゴールですよね。オタクとしての立ち位置はみんな一緒なんだけど「頑張ったらいつかこんなことができるんだ、夢を持とう!」と言いたくて書いたんです。
白蝶:
全然その…夢のゴール先、見えてないんですけど。
まあ、夢はでっかくね!あとは小さい夢だとオフ会ですかね。
ーーー まずはお住まいの札幌でやられたんですよね。
白蝶:
1回だけ!やりました。
ウェルタイD:
東京でも7月に日程を組んでいたんですよ。なんですけど、毎週誰かしらが来日していてイベントが開催されるようになってしまったので。被ったら誰も私たちのお茶会なんて来てくれないし、お金もないだろうし、ばらしたんです…。
ーーー 切実!
ウェルタイD:
私たちにお金を注いでくれる余裕はないだろうなって。
白蝶:
オンラインでもできますからね。沼っコ(※)たちと楽しくやっています。あとはグッズだね。
ウェルタイD:
そう、グッズ!やっていますよ。
(※沼っコ:ウェルタイ沼の会会員のこと)
ーーー 気になっていました。カルタですね!
ウェルタイD:
カルタもリスナー参加型です。
絵もリスナーさんに描いてもらって、読み札もリスナーさんから募集して、デザイナーもリスナーさんにやってもらって。全部です。もう番組だけじゃなくグッズまで全部リスナーさんにお世話になっています。いないと無理です。
白蝶:
リスナーさんがいてくれないと何にも成り立たない。
ウェルタイD:
カルタはもうほぼ出来上がっていて。あとはもう最後の監修です。
白蝶:
絵は10名のリスナーさんが描いてくれたんですよ。オタクたちはね、本当に絵が上手。かわいい。
ウェルタイD:
オタクじゃないと読み札も絵札も理解できないんです。
白蝶:
オタクの人だったらわかるけど、タイ沼じゃない人が読んだら意味不明だよね。
ウェルタイD:
そこがこだわりです。これは近い目標として進めています!
ーーー (絵を見せてもらいながら)確かに私には全く意味がわかりません…。
ウェルタイD:
あと、白蝶さんが「推し活単語帳」を作っています。
白蝶:
そうなんです!タイ語の単語帳って、一般的な試験用の単語帳ならあるんですけど。辞書を見ても出てこないような…テレビドラマでよく出てくる単語とか、ちょっとスラングっぽい言葉とかも全部入れて作ってるんですよ。
ーーー それは絶対嬉しいやつですね!
白蝶:
気合い入れて作っています!
■友達を作る場に
ーーー Bitfanでは「ウェルタイ沼の会」を2023年の1月から開設していただきました。コミュニティを開設しようと思った理由を教えてください。
ウェルタイD:
ポッドキャストという形はブームにはなってもどうしても収益化が難しくて。「コミュニティを作って、そっちで収益を上げていくことならできるんじゃないか」と考えたのがきっかけの1つです。
ーーー Bitfanを選んでいただいたのはなぜですか。
ウェルタイD:
このインタビューにも出ていたHAMBURGER BOYSのヒデミさんに紹介してもらいました。私自身WEBに強いわけではないので、何かあった時に聞ける人が近くにいてくれたほうが心強いなと。
ーーー そこが繋がっているんですか!?札幌の方同士とはいえ、世間は狭いですね…。コンテンツの内容や月額料金はどうやって決めましたか。
ウェルタイD:
HAMBURGER BOYSはファンクラブとして使っていますけど、私たちはタレントとかでもないですし。「オタクと同じ目線」の「何者でもない」というところがコンセプトだったので、そういう人たちに向けて払える金額を考えなくてはな、と。
それで600円にしました。何しろみんな他でいっぱい使わないといけないので、今。
ーーー あああ、ファンミが…。
ウェルタイD:
コンテンツは…音声はもう毎週無料で配信しているので、それ以外のことで、となるとやっぱり文字か動画かになりますよね。だったら番組内容から一歩踏み込んだ記事を作ろうと決めました。
白蝶さんはドラマの同時視聴だったり、ドラマについてのテキストコンテンツを。今Yuriはお休みをしていますが、メイさんというタイにいらっしゃる方がみんなが欲しいであろう現地の滞在情報やタイの新鮮なトピックスを書いてくれています。私はディレクターとして裏側のことを出していく、と役割分担している形です。
白蝶:
あとはコミュニティとしての機能です。
沼の会にはSNSだとあんまり友達が多くなかったり、周りにオタクの友達がいなかったり…つまりタイオタク友達を求めて入ってくれている人が多いんだと、私たちも運営しながら気付きました。「友達がほしいけど、うまくできない」という人たちがすごくいっぱいいるんだなって。
その人たちの橋渡しじゃないですけど、友達が作れるような感じの交流の場を作りたくて。
ウェルタイD:
それも今は結構大きなコンテンツになっていますね。同時視聴はDiscordを使っているので、音声だけで白蝶さんと会話もできるし、他のリスナーさんと同じドラマを同じ時間に分かち合えます。
外部のサービスですが「MetaLife」というバーチャル空間も利用しています。仮想空間でみんなで交流して、おしゃべりして、みたいな。最初は私たちがいないと交流を持ってくれないんじゃないかと思っていましたが、もうリスナーさんだけで遊んでくれています(笑)
Twitter上やリアルな場では、なかなか友達を見つけられていないからこそ、ここで友達を作ってもらいたくて。
白蝶:
沼の会に入っている人しか参加できない空間で友達ができたりTwitterで繋がったりしていって、ついに実際にオフ会をやったりとかしていて。繋げられるのは嬉しいよね。
大勢の人がいるTwitterとかでちょっと絡んでも、本当に気が合うかはわからないじゃないですか。一度の会話だけで終わっちゃうこともよくありますし。だけど沼の会という小さなコミュニティの中にいる同士ならみんな友達、みたいな感覚が生まれやすいのかなって。
だから、みんな優しいしかわいいんです。
ウェルタイD:
いい人しかいないんですよ。
「オフ会のときに待ち合わせの目印にしたいので、タイ沼のサムネイルの画像使ってもいいですか?」なんていう確認までしてくれるんですよ!それで旗作ってくれるの。もう本当にかわいい。
ーーー そんなリスナーオフ会にお2人が完全にいないっていうのがまた(笑)
白蝶・ウェルタイD:
全然!いません(笑)
ーーー グルチャで「ユニバに一緒に行く人いませんか」みたいな募集までされていましたよね。
白蝶:
そうなんです。
だってせっかくユニバーサルスタジオに行くなら推しが撮った写真と同じ画角で同じ写真を撮りたいじゃないですか?「それをわかってくれる人、ぜひお願いします!」という感じで募集しました。
ーーー 先ほども少し伺いましたが、交流といえばオンラインお茶会。オンラインお茶会というのはどんな内容なのでしょうか。
ウェルタイD:
私たちが札幌在住というのが一番の問題で。地方も地方で海も越えてるから、リアルじゃなかなか会いに行けない。ご時世的にもまずオンラインだし、と始めました。
今は月に2回、普通の「お茶会」と「お茶会個室」を開催しています。お茶会はYouTubeの限定公開にして、URLをお送りして、チャットで会話する形です。話題は毎回違いますが、メイさんのタイ現地での推し活レポだったり、白蝶さんのドラマ語りだったりですね。
個室のほうはZoomです。顔を出す人もいるし、名前だけの人もいるし、喋る人もいるし、チャットだけの人もいるし。みんな同じ画面上でばっと並んで、好きに交流する感じ。
意外とみんなもじもじしちゃうので(笑)
こっちから名指しで当てる勢いでやっています。
白蝶:
「これはどうですかね、誰々さん!」って。
ウェルタイD:
「顔を出している人」は「喋りたい人」と勝手に決めつけて当てています。
白蝶:
「喋りたいから顔出してるんだ」って!(笑)
マイクがオンになってたらオッケーの合図とみなします。
ーーー今後、沼の会のコミュニティでやってみたいことはありますか?
ウェルタイD:
学園祭みたいなやつは?オンラインで。
白蝶:
そんなの初めて聞いたよ!?オンライン学園祭!?
ウェルタイD:
それぞれ出し物やるの。推しについて語ってもいいし、推しの特技を真似します!みたいな一発芸でもいいしさ、Zoomの画面とかで。
白蝶:
あ、よさそう。みんなでうちわを作るとか。
ウェルタイD:
テーマを一つ決めて、お披露目会。
ーーー うちわのお披露目会!いいですね。
ウェルタイD:
学園祭やろう。
白蝶:
学園祭やろう。「沼の会 学園祭」。
よし、やります。これ今度やります。今決まりました。入賞者には缶バッジとかプレゼントしよう。
ウェルタイD:
決まりました。あとはやっぱり、沼っコが増えていくことかな。
白蝶:
そうだね。
ウェルタイD:
沼っコはリスナーさんからさらに一段と距離が近くなって、交流もできる人たちなので。その輪が増えていくと嬉しいなと!
■沼友?
ーーー では最後に、お2人にとって沼っコのみなさまとはどのような存在ですか。「ファン」というのもちょっと違う気がしていて。
白蝶:
チームっぽくもありますよね。私たちのことをサポートもしてくれるし、何より一緒に楽しんでくれるし。沼の会は沼っコがいないとそもそも成り立たないし。
友達でもあり、サポーターでもあり。とにかく一番ウェルタイのそばにいてくれる存在。それをなんて呼ぶんだろう…。
ああ、「オタ友」?
ウェルタイD:
それかも!オタ友だ。
白蝶:
「一番近くにいるオタ友」です!
ーーー ありがとうございます!ではそんなオタ友・沼っコの皆さんにメッセージをお願いします。
白蝶:
楽しいことをいっぱい共有していきたいと思っているので、これからも末永くウェルタイとチームウェルタイの私たちをよろしくお願いします!
ウェルタイD:
タイ沼の魅力を一緒に分かち合いましょう!
■Profile/WELCOMEタイ沼
チームウェルタイ・ウェルタイD&白蝶
Podcast、YouTubeなどを配信し、
タイエンタメに酔いしれ、盛り上げていく。
それがウェルタイこと“WELCOMEタイ沼”です。
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