【Pick Up Owner #26】HAMBURGER BOYS|目標は「この3人で長く続けること」ー地元・北海道で愛され続ける"ちょうどいい"バンド
2012年に札幌で結成された「北の大安バンド」ことHAMBURGER BOYS。北海道の市町村や地元企業とのタイアップ曲は数知れず、北海道観光庁からは北海道観光応援隊にも任命され、とことん地元密着型のユニークでマイペースな活動スタイルを貫いている。
それぞれの音楽活動の先にたどり着いた現在のHAMBURGER BOYSとしての活動や、FM NORTH WAVEで毎週放送されているラジオ番組「おばんです!HAMBURGER BOYS」と連動したファンクラブコンテンツについてなどをメンバーの金田ヒデミ(DJ)に訊いた。
HAMBURGER BOYS - ハンバーガーボーイズ - Bitfan
■僕らはもう「普通に楽しくバンドやろうぜ」ってところがスタート
ーーー では、バンドとご自身の簡単な自己紹介をお願いします。
HAMBURGER BOYSは北海道在住の3人組ユニットです。ボーカルの山田雄太、ギターの田村次郎、そしてDJの僕、金田ヒデミです。今年で結成して10年目になりました。
ーーー HAMBURGER BOYSさんといえば「北の大安バンド」と呼ばれているほどに北海道密着バンドとして活動されています!なぜ、そうまでして地元密着型の活動をされているのですか。
そもそも結成した時から決めていたのが「まずは自分たちの生活がありきで、あくまで趣味でやろう」ということだったんですよ。メジャーデビューとか絶対しない。全国ツアーとかもしない。地元に愛されるようなバンドになろうぜって。
なんでかって、もともと僕らはそれぞれバンドをやっていたんです。僕で言えば今は40代なんですが、20代の頃は「雷鼓」というミクスチャーバンドで活動していてメジャーデビューもしていました。
ただ年に何百組とメジャーデビューする中で、僕と同じ時にデビューして今も残っているのは平原綾香さんくらいですよ。メジャーデビューして数年以内にヒット曲を出して世の中に知られるなんて1組いるかいないか。そうはなれないなと気付いて、30代になる手前くらいで解散したんですよね。
ボーカルの山田も「MEN☆SOUL」ってバンドでメジャーデビューしてて、 一応解散はしてないんですけど休止中、みたいな。ギターの田村はメジャーデビューこそしていないけどずっとバンドをやっていたんですが、解散してしまって。その後の彼は札幌でバーを経営していました。
僕と山田はそのバーの常連だったんで、みんなで飲んでいたところに「なんか暇だからバンドでもやろうか」って話になったのがちょうど10年前。あの時僕はもう30代、2人はまだ20代だったのかな?とはいえここからバンドをやるにしても、もう各々自分たちの生活があるじゃないですか。
だから、目指すべきところはそこじゃないと。メジャーデビューして全国ツアーをして有名になりたいとか、そういうのじゃない。僕らはもう「普通に楽しくバンドやろうぜ」ってところがスタート。
「地元密着型」は裏を返せば「地元から出ない」ってことなんで(笑)そういう意味で地元密着型と言ってましたね。外に出る気がないから、ずっとこのペースで行けたらなと思ってます。無理はしない。
ーーー 「楽曲制作からレコーディング、そしてMV制作にいたるまでメンバーのみで行う一貫生産流通システム」とプロフィールで拝見しましたが、事務所に所属はしたりはしていないのですか?
今は一応、事務所には所属しています。完全にフリーの個人名義だと面倒なことも多くて。企業や自治体から依頼をいただいて曲を作る時なんかにはやっぱり契約的にも、法人のほうがいいし。とはいえ僕の会社に所属しているという形なので…法人にはなっているけども、実際のやり方的には変わってはいないですね。
この「一貫生産流通システム」が具体的に何かというと、作詞作曲、レコーディングをまず自分たちでやって、MVの制作も自分たちでやって。僕以外の2人はいわゆるメディア…テレビやラジオにも出ているので、宣伝も自分たちでできちゃう。全て自分たちでやれたからそういう言い方をしたんです。
■「ちょうどいい」安心感
ーーー 企業や自治体とのタイアップソングがかなり多くて!ここまで愛される秘訣とは?
アルバム全曲がタイアップなんですよ。最近自分たち発信の曲ってほぼ作っていないかもしれない(笑)
全部先方からお話をいただけているので。なんでそうなったか自分たちではあんまりわかっていないんですよ!全然わかんない。でも気付けば毎月作っている感じに…。
ーーー つまりそれだけ北海道の地場産業や市町村の方から認知されていて、しかも求められていると。
アーティスト自体は北海道にはいっぱいいますから、本当に地元のその町出身のバンドがその町のことを歌うってケースはあるんですよ。「俺らの町、最高!」みたいなね。でも僕らは行ったことがない町の曲を作ることも当然あるので、あえて「地元に住んでいない僕らが、その町を見てどう思ったか」を一番に考えるんです。ある意味CMソングみたいなもので、よりわかりやすく尖らして作って、MVも必ず撮ります。
そうしていたら「隣の町が作っているから、じゃあうちの町も作ろうか」みたいな不思議な現象が起きたんですよね。 たいてい企業の宣伝とかだったら「同じ業界のあの会社が作っているなら、うちは違うことをやろう」ってなるのが普通だと思うんですけど。
ーーー そんな連鎖が起こるんですね…!?
有名なバンドだったらドラマやCMのタイアップも向こうから依頼が来るかもしれないけど、 いわゆる一般のバンドはそんなことそうそうやっていないですから。頼む側も「曲を頼める」ってことを知らないのかもしれないですよね。
その点で言えば僕らはNHK北海道の番組のオープニングテーマだとか旅番組のテーマだとか、そういうのを作っていることもあって「なんとなく頼んでも大丈夫な人たち」って思われているのかも(笑)
そういう安心感もあるし、ラジオもやっていますからね。ボーカルの山田と、ギターの田村は月曜日から木曜日の昼間、ずっとラジオに出ているんですよ。ギターの田村はテレビでコメンテーターもやってますしね。それもあって「大丈夫な人」感がすごく出ているのかもしれないな。
ーーー 確かにそれだけ顔が見えていると安心感はあります。積もり積もって、実績が実績を呼ぶ状態に…。
他のバンドと違うのはそこかもしれないですね、安心感。もし僕が頼む側だったとしたらやっぱり「このバンドに頼んで大丈夫なのかな、途中で逃げられたりしないかな」って不安はあると思うし。
それに、北海道は大きな音楽事務所みたいなものが今ないんですよ。音楽レーベルはあっても事務所の機能はなくて。「事務所に所属している、安心感あるアーティスト」の選択肢が少ない。
だから「ちょうどよかった」んじゃないですかね、きっと。
■やっぱりこの3人でやっているのが一番楽しい
ーーー 今後、HAMBURGER BOYSとしての目標はありますか?
僕らは現状維持っていうか、長く続けることが目標なので。「いくつまでできるのか」は挑戦でもありますけどね(笑)今、全員40代になったんで…50代はまだいけるんじゃないかな。60歳を超えてたらすげえなって。
ーーー 目指せTHE ALFEEですね(笑)
ですよね。そういう風に長く続けたいなと。やっぱりこの3人でやっているのが一番楽しいので。
ただ、長く続けるためにはお金もすごく重要になってくるじゃないですか。僕らがいくら「CD出したい」って言っても買う人がいないと成立しないし、「ライブやりたい」って言ってもそこに見てくれる人がいないと成立しない。バンドを続けていくためにもファンがいてほしいっていうのがあるし、逆算している感じがあります。
僕らの目標は「長く続けたい」だからこそ、「このバンドを長く続けるためにはどうしたらいいか」はいつも考えています。
ーーー 「無理なく楽しく長く続ける」のは立派な目標ですが、とても難しいことでもありますよね…。
そうそう長く続くバンドなんていません。バンドも人の集合体なんで、しょうがないと思います。会社と一緒ですよね、色々ある中で何十年も続いてる会社ってそれだけでもすごいじゃないですか。バンドもまさにそうなんで。
だからこそ今の年齢がちょうどいいかなと思います。これが20代だったら多分、途中でやりたいことが変わっちゃう。基本的にはみんなもう生活スタイルは変わらないんですよ。 職業は少しずつ変わっても、考え方まではそこまで変わらない。僕らはそんな3人で集まってライブをやったり色々話したりするのが楽しいので、これを続けられたらいいなと思っています。
■「僕らができること」はなんだろうって考えた
ーーー Bitfanを使い始めていただいたのが2020年の5月ということで、かなり古参とも言えます。なぜファンクラブを始めたのでしょうか?
コロナの影響が大きいですね。2019年12月くらいかな、僕らその時かなりライブやってたんですよ。ライブと言っても町のお祭りばっかりなんですけど。もう毎週のように出てて… 2020年の2月ぐらいまではそんな感じで。
でも、そこから先が一気になくなって。「ライブがなくなっちゃった、どうしよう、ファンクラブでもやろうか」っていうところからスタートしているんですよ。 その前からすでに配信もかなりやり始めていたし、そっちにそこそこ人が集まってくれるようにもなっていたので「じゃあファンクラブを始めたら人が集まるかもな」と。
でも最初は「ファンクラブとか言って全然人が来なかったらカッコ悪いな…」とも思ってて、自信のないままやり始めたんです。
ーーー 金銭面的な部分というのもありましたか?
それも大きいです。あとは有料配信をやるのにちょうどよかったっていうのもありますね。
何か発信するときにいちいちお金を取るのがとにかく億劫だったんですよ。だけど始めから有料会員になってくれていれば、その人たちだけに向けて何かをやればよかったので。
僕らが定期的に今アップしているのはHAMBURGER BOYSのラジオの収録風景を録画したものをそのまま流しているのと、写真館みたいなやつと、「ホテルハンバーガーボーイズ」。あれはラジオの中でやっている企画の原稿をそのままアップしているだけなんですけど、超マニアックなんで…多分あれだけ見ても全く意味がわからないですよね(笑)
ーーー 月に一度、YouTubeでも配信されていますよね。
そう。なのでいちいちお金をいただくんじゃなくて、サブスクみたいな感じ。ライブがなかった分、そういうことをやりたいなって。でもやるからにはちょっとでも収入になったらいいなっていうのはありました。それが理由です。
ーーー 始めるにあたって、金額やコンテンツの内容はどう決められたのでしょうか?
僕ら「他の人たちがどういうことをやっているか」をあんまりちゃんと見ていなかったんですよ。逆に「僕らができること」はなんだろうって考えた結果が今のコンテンツ。だから、やれることしかやってないんですね。
やるからには毎週何かしらはアップしたいじゃないですか。「毎週あること」と言えばラジオだから、ラジオをアップしている。あれならわざわざ集まらなくてもいいから続けられるし。
けどあれはもうラジオで放送されているものだから、果たしてあれで満足してくれるのかなっていうのがすごく心配でもあるんですけど。…満足してくれているのかどうかは正直、わからない(笑)
ーーー さっきも少し伺いましたが、メンバーの皆さんそれぞれラジオに出演されていますし、HAMBURGER BOYSとしてもラジオ番組をお持ちですよね。
確かに全員ラジオだな。ラジオ、すごく好きなんですよ。
ーーー それでは気になる「ホテルハンバーガーボーイズ」について伺えれば。あれはラジオも聞かないとわからないですね(笑)
あれはラジオを聞いている人でもついていけてないと思うんですけど(笑)
「Premier Hotel-CABIN-」というビジネスホテルチェーンがHAMBURGER BOYSのラジオのスポンサーについてくださっているのですが、単純に毎週PRをするだけだと商売っぽすぎるじゃないですか。だから毎回僕らが宿泊プランを提案して、ホテルの人に答えてもらおうっていうのがあのコーナーなんです。
このプランはギターの田村が作っているんですけど、めちゃくちゃなことを毎回言うんですよ!最近だとホテル側が「採用します」って言ってくれることも結構あるんですが、あまりにもめちゃくちゃなプランばっかりなんでOK出されても俺らが断るっていう(笑)
ーーー あ、では今まで採用されたことはないんですね…。
実際にあのプランとして売り出されたことはないです。
ーーー 今後もないのでしょうか。
ないです、ないです!採用されても困る(笑)
だって「ガチャガチャプラン」なんて「最初にガチャガチャやって、あたりが出たらチェックインできます」とかですよ。
ーーー はずれ続けたら永遠にチェックインができない!?
そうですよ。食事メニューもガチャガチャです。部屋にも最初は何もなくて、ガチャガチャで当てたらベッドとか設備が揃えられる、みたいな。ベッドばっかり当たっちゃうとかになりますよ(笑)
そういうことなんで、絶対そんな…採用したら大変なことに…。
ーーー これは毎週、欠かさず提案しているのでしょうか。
毎週やってます。だから田村は大変だと思いますよ(笑)色々なコーナーをやっているんですが、それを毎回考えているのは彼なんです。
ーーー 「Premier Hotel-CABIN-」のテーマソングは「YES WE CABIN!」でしたよね。MVも拝見させていただいて、いつか泊まってみたくなりました。
いいホテルだと思いますよ。
ここも一番最初は曲を作ってほしいという依頼をいただいたんですが、ちょうどラジオをやりたいと考えていたタイミングだったので。スポンサーになっていただけませんか?とこちらから逆に依頼して。
そこからラジオが始められたので、「ホテルハンバーガーボーイズ」がないとこの番組自体が続かない。最重要コンテンツなんです(笑)
■バスに酔わない形でのファンクラブ旅行なら本気でやりたい
ーーー 会員の皆さんと今後、やってみたいことはありますか?ファンクラブ限定のイベントなど。
いやいや、ネタがいつもないんですよ。ずっと同じことをやっていて、思い浮かんでないんです…。考えなきゃいけないとは思ってるんですが。
ーーー YouTubeで紹介されていたエプイ函館ツアーなどもいいのでは。
あの紹介、本当は全然やる予定じゃなかったんです。僕ら、とんでもなくいい部屋を紹介していたじゃないですか?もともとはあの部屋に泊まる予定じゃなかったんですけど、当日ぜひって言っていただいて。
これは何かお返ししなきゃいけないと!どうにかして宣伝しますって考えた結果があの配信で。ホテルの方には喜んでいただけたので、よかったです(笑)
北海道の中でも大沼って意外と知られていなくて穴場なんですよ。大沼公園っていう大きな湖があるくらいで、スキー場とかがあるわけでもないし。ちょっと高いですけどいい所です。フランス料理のフルコースがついて、安い部屋なら2万5千円とかかな。
ーーー どうしても旅行を期待しちゃいますね。配信の中でファンの方と一緒に考えたりされている方もいらっしゃいますよ。
昔、ファンクラブで何をやったらいいかみたいに一回聞いたことがあって。やっぱり旅行したいっていう声はありました。僕らは旅行会社のお仕事もしているので、そういう意味での環境は整っているんですよね。
ただ僕がバスに弱くて、酔っちゃうんで(笑)バスツアーとかで一緒に乗って喋るとかしたくても辛いので、酔わない形でのファンクラブ旅行なら本気でやりたいです。
■ファンは一番の理解者
ーーー それでは最後に。HAMBURGER BOYSのみなさんにとって、ファンの方とはどのような存在ですか。
一番の「理解者」かなと思います。
バンドを続けることを目標にしていますが、そもそもファンがいないと続けられないので。やっぱりファンの方にいかに満足してもらうかということを一番考えているんですよ。ライブだったら自分たちの演奏しやすさよりお客さんの聞きやすさを優先しますし、ファンクラブも入ってもらった方にどう喜んでもらうかを重視しています。
だからどう思ってるかって言ったら、やっぱり一番大切な存在なんですよね。僕らを一番理解してくれている人。僕らって北海道では知ってくれている人こそ多いけど、理解してもらいづらいこともやっていたりしますからね。だから、一番の理解者だなと。
ーーー ありがとうございます。もう年内のライブ活動は全て終えられたとのことですが、来年のHAMBURGER BOYSさんのご活動の告知はありますか?
ライブは終わっちゃいましたけど曲作りはずっとしていて、年内にあと4曲ぐらいは作る予定で。今は茨城県の大洗と苫小牧港を結んでいる「フェリーさんふらわあ」のテーマソングを作っています。
やっぱりバンドをやっているとあのフェリーに乗ることが多かったので、めちゃめちゃ嬉しいんですよ。僕、バスもですけどすごい船酔いするんです。テーマソングが流れたら到着だって合図なんで、もう毎回あの曲がかかるのが待ち遠しくて(笑)それが僕らの曲になるなんて、本当に嬉しい。
ーーー バンドマンが全国ツアーで北海道に行くなら大洗から苫小牧ルートはあるあるですよね。それは楽しみです!
それ以降も色々と曲は作っていきますし、アルバムも用意しているので!ぜひアルバムを聞いてもらいたいです。アルバムタイトルは『PARTY SET7』です。
ーーー では、ファンのみなさまにメッセージをお願いします!
僕らのために毎月お金を払ってくれてありがとうございます!
いや、それだけじゃダメか。でももう本当に、とにかくありがとうございますって気持ちなんだよな。こんな僕らですが、末永く応援よろしくお願いします!
HAMBURGER BOYS - ハンバーガーボーイズ - Bitfan
■Profile/HAMBURGER BOYS
2012年1月札幌にて結成。
メンバーは、ボーカル 山田雄太(MEN☆SOUL)、ギター 田村次郎(ex.The VOX)、DJ 金田ヒデミ(ex.雷鼓)の3人。
北海道を中心に活動中、市町村とタイアップした楽曲で話題沸騰中。「北の大安バンド」との呼び声が高い。メンバーの山田(VO)はFM NORTHWAVE、田村(ギター)はSTVラジオでパーソナリティとして活躍中。
楽曲制作からレコーディング、そしてMV制作にいたるまでメンバーのみで行う一貫生産流通システム。楽曲提供や、CMタイアップ曲も多数あり。
2018年からは自身初のレギュラーラジオ番組「おばんです!HAMBURGER BOYS」をFM NORTH WAVEでスタートした。(毎週土曜日18:00〜19:00)
2018年7月には小清水町観光大使に就任。同年10月には北海道観光庁より北海道観光応援隊に任命。今後は視野を広げ道内、道外へと北海道の魅力を楽しく伝えていくことが北の大安バンドの使命と言える。
斬新な歌詞とキャッチーなメロディーに、ジャジーかつセクシーなギターリフが絡み合い、
お腹一杯夢 一杯になる事間違いなし、これがハンバーガーサウンドだ!
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