【後編】UNIDOTSが歩む、新たな道。自分たちの世界を変え続ける自由なクリエイティヴ|DIGLE MAGAZINE
<目次>
▶︎ UNIDOTSというチームを作らないといけない
▶︎ 人間らしい部分を歌で表現したい
DIGLE MAGAZINEとオールインワン型ファンプラットフォーム『Bitfan』が送る、“アーティスト活動”にフォーカスしたインタビュー企画。アーティスト選曲のプレイリストと共に、これまでの道のりやファンとの関係について掘り下げます。今回はUNIDOTSが登場。
(本記事は、DIGLE MAGAZINEに掲載された記事の転載です。)
■UNIDOTSというチームを作らないといけない
ーーここからはUNIDOTSの活動について伺いたいと思います。昨年事務所を独立されましたが、どういった理由で決断されたんですか。
金野:
かいつまんで話すのは難しいんですけど…いろいろ大変だったんです。正直、二人とも心身共に限界に達していたところがありました。
瑞葵:
コロナ禍ということもあってね。みんながそういう時期だったと思うけど、本当に大変だったよね。
金野:
自分たちが望む音楽を作って、それをできる限り多くの人たちに聴いてもらうということが、正直全くできなかったなと思っています。それでも助けてくれる人がこの何年間で増えてきていて、義憤に駆られるっていうのかな。うちらの代わりにUNIDOTSの状況をもどかしく思ってくれる人がいて、そういう人達に会う度に申し訳ない気持ちになっていたから。早く自分たちを手伝ってくれる人達と、改めてUNIDOTSというチームを作らないといけないなと。それをやるためには、独立するしかなかったということです。
ーー音楽家として健康的なサイクルを取り戻したいと。
金野:
今は過渡期ですね。いきなり二人になったので、いろいろと音楽以外のことが沢山降りかかってきていて、とにかく時間が足りないです。できればもっと音楽に時間を費やしていきたいし、そのためにも協力者を増やさなきゃいけないという思いがありますね。
ーー瑞葵さんは今どんな心境ですか?
瑞葵:
より自由にはなったかな、と思います。基本的には前向きな気持ちでいますね。もちろん実務的なところで大変さはあるんですけど、それは長く続く悩みではないかなと思っていて。私はとにかく、ぽんぽんリリースがしたいんですよね。今までそれができてこなかったし、一刻も早く金野さんに曲を作ってもらう環境を用意したいです。
ーーこれからのプロモーションとかについて思うところはありますか。
金野:
今プロモーションに関して簡単だっていう人はいないだろうなって思います。たとえばYouTubeにポンと曲を上げたら、もう後は聴かれるかどうかは実力次第みたいに思いがちだけど、無策で上げてりゃいつか聴かれるかって言ったらそういう話でもないし、そこに順応できている人なんてほぼいないと思うんです。ただ、「こうすれば上手くいく」というのが誰も分からないからこそ、自分たちのやるべきことがわかりやすいというのは、僕らの強みだと思います。
ーーわかりやすい?
金野:
知られていないからツイてるんですよ。過去にやってきたことが枷になることもないし、僕らは挑戦していないから、失敗したことがない。ある意味沢山守ってもらえたから、何かにトライしてエラーが起こるとか、そういうある種の成長痛みたいなものを全然味わってこなかったなって思う。
瑞葵:
そうだよね。
金野:
これからの活動で何かエラーが出るとしても、それを知れるだけでも前進で、まずは知られる機会を作るだけでもひとつの結果になると思っています。自分たちが作るものが正しければ反応してくれる人はいるだろうと言う期待は持っているし、作った曲が自分たちの世界を変えていくってことを、全然諦めていないんですよね。
ーー今の段階で、やってみたいアイデアはありますか?
金野:
その辺でゲリラ的にぽんぽん歌ってくるとか?
瑞葵:
私はそういうことをやってこなかったので、やってみたいですね。
金野:
大きいステージで沢山歌ってきた人だからこそ、瑞葵がそういうことをやるのは面白いなと思います。今音楽を聴いている人ってよっぽどわかってるというか、見抜くと思うんです。だからわかりやすい行動で示していけばいいんじゃないかなって。
瑞葵:
ちょっと前から夜中に「うわ〜〜〜!!」ってなるぐらい急に歌いたくなる感情が芽生えたんです。これまでは「歌っていないと死んでしまう」みたいなことはなかったし、趣味もいろいろある人間だと思っていたんですけど、とにかく人前で歌いたくなったんですよね。「配信でもいいんだけど不意に歌いたい」って金野さんに伝えたら、「どっかのライブハウスで歌ってきたら? ストリートでもいいんじゃない?」って言われて。即アンプを探してきて、「買ったよ、送っとくね」って連絡がきたんです(笑)。
ーー凄いスピード感ですね(笑)。
瑞葵:
そんなノリでいいのかって、いろいろ新鮮な気持ちです。あと、音楽ではないんですけど、インスタではメイク配信をやりたいと思っています。人のメイクを見るのが好きなので、そのノリでやれたらなと考えています。
■人間らしい部分を歌で表現したい
ーーUNIDOTSは少しベールに包まれているようなイメージがあったんですけど、ここからは変わっていきそうですね。
瑞葵:
自分たち自身は、そういうつもりではなかったんですよね。だから私自身、そのギャップに苦しむことがあって。その幻想を壊しちゃいけないと思ってガチガチになったり、誰に届いているのか分からなくなったこともあって。でも、実際に自分がどういう人間なのか?って考えると、めちゃめちゃ笑うし、普通に怒るし、そんな人間らしい部分を歌で表現できたらなって気持ちは凄くあります。
金野:
根本的な精神性が変わったわけではないんだよね。元々そういう気持ちはずっと持ってきてたし、ライブではそうやってきたつもりだったんですけど、なかなかそこだけでは不特定多数の人に辿り着けないところがあって。今は身動きが取りやすくなった分、そのためにいろんなツールを使っていこうかなって。
ーーそれがBitfanでファンコミュニティを立ち上げるところにも繋がっていくんですね。
金野:
まさにそのひとつですね。SNSをはじめ、YouTubeがあったり、専用のファンクラブがあったり、持とうと思えば色々なコンテンツを持てるけど、正直ミュージシャンってそのどれとも相性が悪い生き物だと僕は思っているんです。たとえばYouTubeひとつとっても、ミュージシャンってMVを載せること以外ほとんどやれることがないんです。芸人さんだったら、そこで喋ってもいいと思うんですけど、ミュージシャンは本業としてそこでできることは少ないんですよね。
ーーなるほど。
金野:
それから、たとえばライブ配信をしようとか、あるいは今日の撮影の裏側をどこかに載せようかってなった時、それをどこに載せよう?って思うんですよね。インスタの公式にするのか、Twitterの公式にするのか、もしくは瑞葵のアカウントにするのか、でもそれなら金野も触れた方がいいかとか、考えることが一気に増えてしまう。それならオールインワンでいろんなことができた方が管理がしやすいし、bitfanはそこまで考えて作られていたから。
ーーweb上のホームを一個作るような感覚ですね。
金野:
ちょうどホームページも更新しなきゃいけないタイミングだったので、見たい情報を簡略化して見れるようにして、その上で深く入り込めるような広がりがある城みたいなものがweb上にあったら良いなって思いを叶えてくれました。
ーーそこで音声配信も始めたと。
金野:
ライフワークとして続けたいです。ふたりともラジオが好きで、去年もYouTubeで毎月一回くらいのペースでやっていたんですけど、もっとパーマネントにやり続けられる場所があったらなと思っていました。週に1回10〜15分くらいのものをずっと続けていくという方法で今はやってみようと思っています。
ーー改めて始めるにあたって、喋りたいテーマやイメージはあったんですか?
金野:
いや、なんかね、そこでまたうちらの悪いところが出ているんですけど(笑)。「全然ゆるくていいですよ」って言われても、気づいたら真面目に音楽の話しを始めちゃっている。
瑞葵:
本当はしりとりしてるとか、どうでもいい感じでいいと思っているんですけど。
ーー逆に言えば、音楽の話を熱く語っているのが自然体でもあると。
瑞葵:
そう言われるとなんか恥ずかしいね?
金野:
一生懸命みたいじゃんね?
瑞葵:
(笑)。だからちょいちょいふざけるか、っていう。
金野:
まあ、数やっていく間にそのうちそういう風になるのかな。
瑞葵:
このコミュニティの中では、自分たちの素を出せるんじゃないかなって目論見がありましたし、聴いてくれてる人ってやっぱり味方だとは思うから。それに甘えてどんどん回を重ねていきたいなとは思います。あと、私は日記的なものもやってみたいです。絵を描くのも趣味なので、不定期に絵日記を載せたり、私は金野さんの文章が面白いと思っているので、時々レアキャラとして出てくれないかな?って考えています。
ーー直近のものでも、あるいは10年後でも、UNIDOTSとしてのビジョンはありますか?
瑞葵:
私は一週間後くらいのビジョンしか描けない人間なので、音源をリリースしたいしか考えていない(笑)。遠いビジョンは全部、金野さんの頭の中にあります。
ーーミクロとマクロの関係なんですね。
瑞葵:
その関係性ですね。金野さんは私にとって予言めいたことをいう人だと思っていて、これまでも「こういう曲が次来ると思う」とか言うと、本当にそれが1年後にきたりするので。私はそのビジョンをリアルタイムで信じながら、そこに乗っかっていける人を増やしていきたい。それを実現する環境を作っていくのが当面の目標です。
金野:
僕はずっと逆算してそういうことばかり考えてきたなって思う。でも、実際にそれをリリースできなきゃ意味がないんだよね。次はこれ、次はこれ、というように、もっと肉体的なバイタリティが必要だと思っています。先を見据えて考えることもやめないけど、瑞葵のように一週間後のことを考えているのが全然リアルだなって思う。
瑞葵:
その両方できたらそれが最強だよね。