【Pick Up Owner #19】松原凜子|私は歌に乗せて言葉を伝えたい-ミュージカルに魅せられて

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2022/06/24 15:00

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4オクターブ超えの歌域を持ち、2017年の東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』(※1)エポニーヌ役を始めとした数々の有名ミュージカル作品に立て続けに出演。2022年7月からは同じく東宝ミュージカル『ミス・サイゴン』(※2)にて、エレン役を演じる松原凜子。


今回のインタビューでは、「音楽漬け」だった学生時代、ミュージカルで生きて行くと決めた理由、「音楽も全て辞めたくなった」という挫折経験など、様々な角度から彼女の魅力に迫った。


(※1『レ・ミゼラブル』:ヴィクトル・ユゴーの小説を原作とし、1985年のロンドン版ミュージカルで大ヒット。ブロードウェイ公演をはじめワールドツアーも度々行われ、日本でも1987年の帝国劇場での初演から現在まで、大人気を博している)

(※2『ミス・サイゴン』:プッチーニのオペラ『蝶々夫人』をモチーフに、ベトナム戦争末期のサイゴンにおける悲恋を描くミュージカル作品。『レ・ミゼラブル』製作陣の次作でもあり、上演前からの評判も高かった。2020年の日本公演がコロナウイルスの流行により全て中止、今回は2年越しの上演となる)






松原凜子 official site 「凜と。」 - Bitfan



音楽漬けの学生時代

ーーー それではまず、自己紹介をお願いします。


松原凜子と申します。今は主にミュージカルの舞台に立っていますが、元々のルーツは合唱やクラシック音楽です。なので、今も自分のライブやコンサートではクラシックを取り入れた音楽活動をしています。


ーーー 歌との出会いはお母様のママさんコーラスだとか。


そうなんです。おなかの中から。おなかの中でママさんコーラスを聞き続けて、生まれてからもすぐコーラスに連れて行ってもらっているので、物心がついた頃には母たちと一緒に歌っていたという感じですね。


ーーー 高校の音楽科に進学されたそうですが、どんなカリキュラムなのでしょうか?


一般の教科ももちろん勉強するんですけど、少なくとも普通科と絶対違うなっていうのは「数1までしかやらない」ところですかね。数学の授業がほとんど記憶にないくらい!物理とかもちょっとかじる程度で終わっちゃったような。私の記憶が違ったら申し訳ないんですけど(笑)

ーーー 数学に物理!全くついていけなかったので、正直羨ましいです…

あとはやっぱり大きく違うのは自分の専科、つまり私だったら声楽のレッスンがあることですよね。3学年揃っての合唱という授業では、毎年の定期演奏会に向けて発表する曲をずっと練習していましたし。

一番難しかったなと思うのはソルフェージュという、音楽を聞き取ってそれを楽譜に書き起こすレッスン。和音だったり旋律だったり色々と含んだ8小節や12小節のメロディを聞かされて、暗記して書き起こすのですが…私は苦手でした。

その場でメモでもできたらまだ良かったんですけどね。「こんな能力必要なのかな?」って思いながらやっていました(笑)あとは、いわゆる音楽学。楽典や、楽譜の読み方を勉強したり、ピアノの授業があったりですかね。

ーーー 本当に音楽漬けなんですね。

そうですね、思い返すと結構、音楽漬けかもしれない。

ーーー 普通科出身の私の音楽の授業なんて、楽しく歌ってたまにオペラを見て感想を書きましょうみたいなくらいで。部屋が暗くなるからもう、昼寝タイム状態。怒られっぱなしでした(笑)

そういう授業、私たちにもありましたよ!音楽史。すぐ寝ちゃいました、私も(笑)好きな作品ならまだしも、興味がないとよくわからないところも多いですよね、クラシックは。

ーーー そこから東京藝術大学の声楽科に進学され、さらに本格的にクラシックの道へ。

クラシックの中にもオペラだったり歌曲だったり、色々なジャンルがあるんです。大学院まで進むと「オペラ科」とか「歌曲科」とかに分かれるんですけど、学部生の間は特にそうは分けられず、ジャンルにとらわれずに学ぶことができました。

週に一度ある自分の専科のレッスンでは自分の師匠と曲を決めていくので、師匠に「オペラの曲をやりなさい」と言われたらオペラをやることになります。どの先生に師事するかによって、それぞれ勉強していく曲は違っていましたね。



「私は日本語で歌いたい」と強く思った

ーーー なぜ、ミュージカル界を志すことになったのですか。


もともとミュージカルは好きだったんです。昔から身近なところではやっぱりディズニーですよね。ディズニーの世界に触れて育つと、「歌いながら演技する」ことに抵抗を覚えないというか(笑)


ずっと「私はオペラをやるより、ミュージカルの方が声は合っているんだろうな」となんとなく考えてはいて。地元の合唱団でミュージカルをやる機会があったりして、そこでも「ミュージカルいいな、好きだな、素敵な世界だな」と思ってはいたんですけれど。


大学は藝大に進みたかったので、ミュージカルをやりたい気持ちは封印して頑張った時期もありました。けど、大学に入ったその瞬間にミュージカルのサークルに出会いまして。別に自分から興味あります!とかアピールしていたわけではないんですけど、雰囲気が出ていたのか…一緒に見に行ってみないかと誘ってくれた子がいたんです。


その子と一緒にサークルを見に行って、もうそのまま「入ります!」と即決しました。そこが結構大きな分かれ目だったのかなと思います。バッハの「カンタータ」を合唱するサークルとか、他にもたくさんサークルはあったのでそっちに入っていたらまた違う人生になっていたのでしょうけど、私はそこでミュージカルを選びました。


ーーー ミュージカルにそこまで惹かれた理由は。


クラシックってやっぱり、「よくわからない」というイメージがあるじゃないですか。ハードルが高いというか。クラシックの曲ではどんなに歌詞や背景を説明したとしても、結局は外国の言語で歌っている最中というのは、お客さんはどうしても「綺麗な声」「いいメロディ」という受け取り方に留まってしまいやすいんです。


例えば日本でオペラを上演する時って、歌詞は外国語なので字幕を出しながらやりますよね。ただ、字幕を見ながら舞台を見て、曲も聞いてというのはお客さん側にとっては結構なストレスにもなり得ることだと思います。


でも、日本語でミュージカルナンバーを歌うと意味が通じるから、そこからお客さん自身が想像を膨らませてくれる。ミュージカルのほうが、歌っている最中からリアルタイムに反応が返ってくる嬉しさがあったんです。それに惹かれました。


だから「私は日本語で歌いたい」と強く思ったんですよね。「日本語で歌う」だけなら日本の歌曲という選択肢もありますが、ほかの誰かと一つの作品を作り上げるのが好きだという自覚もあったので、それならまさにミュージカルだなと。



いつかまた『レミゼ』のカンパニーに帰れたら

ーーー 思い出のあるミュージカル作品を教えてください。


初めて大きな劇場で観たミュージカルが『ウエスト・サイド・ストーリー』(※)の来日公演だったんです。名古屋のとても大きい劇場の3階席か2階席の奥、かなり後ろのほうの席だったので必死にオペラグラスを覗きながら観たんですけど、それがもうすごい衝撃で…ずっと歌いながら帰宅しました(笑)


(※『ウエスト・サイド・ストーリー』:1957年にアメリカで初演されて以来、世界中で今も上演され続けているミュージカル界の代表的作品。日本では1964年のブロードウェイキャスト来日公演を皮切りに、劇団四季や宝塚歌劇団なども公演を重ねている)


ーーー 可愛い(笑)


何週間も興奮が抜けなくて!「また行きたい」って頼んで、もう一回見せてもらいました。観る側としてはやっぱり『ウエスト・サイド・ストーリー』が一番思い入れがありますね。


演者としてはやはり『レ・ミゼラブル』です。お客様の期待と興奮度が他の作品とは格段に違うんですよね。作品の知名度も高いですし、キャストに入ること自体もとてもハードルの高いことなので。「レミゼに出ます」となった時は今までにない反響がありました。


いまだに「あのレミゼを観て凜子さんを好きになりました」「観れてよかったです」と言っていただけるので、レミゼに関われたことは私の人生の中でもとても重要な出来事だったと思います。


ーーー 演じたい役はありますか?とここで聞こうと思っていたのですが、インスタの質問返しで回答されていたのを拝見してしまって…(笑)


見ちゃったんですか(笑)


ーーー レミゼの「ファンティーヌ」役を演じたいと。その理由は。


自分がファンティーヌを演じる姿を想像できたからです。あまりにも自分とかけ離れたような役って、どこか遠い存在だと感じてしまうんです。周りがどう感じるかは別としてですが自分ならこう演じてみたいと思えるので挑戦してみたいです。


あと、またあのレミゼの世界に入りたい気持ちもあります。素晴らしい作品というのは外から見るのも当然いいのですが、中に入って、自分が出ないシーンであっても演出がブラッシュアップされていったり、共演者が頑張っているところを見ている時間でもどんどん作品愛が育っていくんです。


お客さんとして観ているのとはまた違う、とても刺激的な体験で。当たり前かもしれないですけど…一度それを味わってしまっているので、また愛するレミゼに関わりたいとはずっと思っていますね。もちろんファンティーヌでも、もっともっと時間がたってからマダム・テナルディエでも。


ーーー マダム・テナルディエ!ミュージカルの大先輩、森公美子さんが長年演じられていますよね。


まだまだあと30年ぐらいは欲しいですけどね(笑)あのカンパニーにまた帰りたいという思いと、演じている姿を想像できてしまったことが、ファンティーヌを目指したい理由です。


ーーー いつか、松原さんの「夢やぶれて」(※)を聞きに行きたいです。


頑張ります。でも今、ファンティーヌを演じられている4人の方々のことが本当に大好きなので…その方々のファンティーヌをじっくり味わいつくしてから、そこに自分も入れたら一番いいなと思います。


(※「夢やぶれて」:レ・ミゼラブルの劇中歌であり、ファンティーヌ役のソロ歌唱曲。2009年にスーザン・ボイルがオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』でカバーし、一躍有名になるきっかけとなった曲)


ーーー レミゼは出演される俳優の方々がコゼットやエポニーヌ、マリウスのような若者の役から壮年のジャン・バルジャンやジャベール、コゼットの母親であるファンティーヌ役まで、年月とともに役柄を変えつつも演じ続けていくのが素敵であり、持ち味でもありますね。


「レミゼは俳優を育てる」と言われているんです。作品としてもカンパニーとしても本当にその通りで。ロンドンのカンパニーのみなさんも、一度信頼した方と長く仕事をしたいという思いが強いのかもしれませんね。




ミュージカルとポップス、ミュージカルとライブ

ーーー 松原さんはコンサートではポップスナンバーも歌われますよね。ミュージカルとポップスでは歌い方も変わってくると思いますが、何か違いというものはあるのでしょうか。


ミュージカルというのはまず、一括りにするのがとても難しいんです。私が主に出演しているようなミュージカルはグランドミュージカルと呼ばれるジャンルですが、特に最近のミュージカルは色々なジャンルがあるので、求められるものもそれぞれ異なります。


それでも「言葉をしっかり届けなくちゃいけない」のがミュージカルだと思います。歌と言えども、ミュージカルの場合はそれがそのまま、セリフなんですよね。「好き」という言葉一つにどれだけの意味が込められるか、みたいなところが必要。一つ一つの言葉をあまり流さないように、意味がない言葉がないように、はっきり立体的に伝えようとする思いが強いのがミュージカルです。


ポップスにおいても、もちろん言葉を伝えることは大事ですが、それよりリズムと音で遊ぶ、音楽の心地よさをお客さんと共有するツール、のような感じ。音を丁寧に追って、歌詞をはっきりしっかり伝えすぎてしまうと、ちょっと違うところがあるというか。


私もポップスに詳しいわけではないんですが、まさに「ミュージカル俳優が歌うポップス」になっちゃうんじゃないかな。なので、ハキハキ言葉を伝えるよりも、リズムと音を大事にする。そうしたことで歌詞が若干曖昧になってしまっても、それはそれでいいんだと思って歌っています。


かといって、バンドのボーカルさんのような歌い方で私が歌っても…それはそれでミュージカル俳優が歌う意味もなくなってしまいますから。ミュージカル俳優が歌うからこそ、ポップスの曲でもいつもより歌詞を通して情景が浮かぶ、そんな風になれたら素敵ですよね。どちらの歌い方でもそれを押し付けるのではなく、いいバランスを保っていきたいです。


ーーー ミュージカルの舞台と、コンサートやライブのステージというのもまた違いますよね。ソロライブの振り返り配信の中で「お客さんの顔が見たいから客席を明るくしてほしかった」と話されていましたが、客席との距離感も全く異なりますし。


舞台の時は客席がとても暗いんです。どこに誰が座ってたかしっかり気付ける出演者の方もいらっしゃるんですけど、私は本当にそういう余裕がなくて。もちろん客席のほうを向いて歌う時はありますが、あえてお客さんを見ようとはしていません。違うものを空中に描いて歌っていたりするから、目には入らないんです。舞台ではそれでいいと思っています。


でもライブになると、よく使われる言葉ですけど「キャッチボール」なんです。一方的に伝えるのではなくて、お客さんの空気をちゃんと感じ取った上で、その場その場で表現を作っていく、それがライブの醍醐味で。だからお客さんの顔を見ながら歌えたら、もっと受け取れるものがあったんじゃないかなと思ったんですよね。舞台とライブはそういうところが違うと思います。


ミュージカルの舞台にいる時はもちろん10割、100%その役柄として歌っていますが、いざライブでミュージカルの中の曲を歌うとなるとやっぱりその役の演技も入ってきてしまいます。でも7割は舞台の情景に入り込んで、残りの3割はライブ会場のお客さんとのキャッチボールを楽しむ、くらいの割合を意識していますね。



「残るもの」への怖さ

ーーー 小さな頃から音楽の専門教育を受けてこられて、今も歌を主軸に活動されていますが、「もう音楽嫌だな、やめたいな」と思ったことはありますか。


ありますよ、それも結構最近。コロナ禍になって舞台が中止になってしまって、YouTubeを始めてみたりしていたらどんどん自分に自信がなくなってきてしまって。自分の声も嫌い、顔も嫌い、もう自分の全てが嫌いになっちゃった。その時は「こんな気持ちでやってちゃダメだな」「やめたほうがいいな」と。全部やめたくなりました。


このままどちらも中途半端にやるのはよくないなと思ったので、YouTubeは一旦置いておいて、舞台だけに専念するようにして。コロナ禍で舞台が中止となってしまって、今までの自分の土台が崩れちゃったんだと思うんですよね。なにか新しいことをやらなきゃと焦って、足元がグラグラのまま走り出したから迷子になっちゃったという感じ。


ありがたいことに舞台がちょっとずつ戻ってきて、出させていただくようになってきたら、やっぱり自分の居場所はこっち(舞台)だと思えたことでだんだん足元が定まってきました。やっぱり私が生きていく場所はここだと改めて再確認したことで、だいぶ回復してきましたね。でも、これって私だけの話というわけではなくて…あの時はこういう人がたくさんいたんだろうなと。


ーーー コロナ禍で暗くならない人なんていませんね。みんな何かしらダメージを負っていると思います。


こういう中でYouTubeや配信を頑張ってやられている方がとても増えましたけど、すごいですよね。私はYouTubeのような「残るもの」が怖くなっちゃったんです。今はインスタで質問返しなんかもできるくらい回復しましたのでご心配なく!な感じなんですけど(笑)リアルタイムで刹那的にお客さんの目と耳に焼き付けてもらう、というほうが合っているんでしょうね。



自分に自信がないところが私の課題

ーーー 2020年の5月…まさにコロナ禍になったぐらいでBitfanにてオフィシャルサイトを開設していただいて。ファンクラブを始めようと思った理由を教えてください。


一番は「お客さんが迷わないようにしたい」という気持ちが大きかったですね。私、本当に連絡がマメにできないタイプで…(笑)応援してくださる方が常に情報を見逃さないようにできる場が欲しかったんです。あとはファンクラブを作ってほしいと言ってくださっていた方の声にもお応えしたくて。


ーーー 直接の運用は事務所の方が担当されているとのことですが、ファンクラブの価格設定は月額440円と、そこそこリーズナブル。価格設定はどうお決めになりましたか。


(事務所スタッフ)

まずは俳優さんであったり、音楽アーティストさんであったり、他のファンクラブと色々と比べさせていただきました。


現実的にはやはり、有料コンテンツをご利用いただくにあたっては金額に応じたコンテンツ提供をしたほうがいいと思いまして。お金をたくさんいただいているのにコンテンツがないとか、逆にすごく安いのにコンテンツだけ過剰に提供するとか、そこのバランスが重要だと思っています。

お客様にとっても、松原さんにとっても無理なく楽しんでいただける金額感を、と考えました。


ーーー ありがとうございます。会員限定の動画コンテンツですが…


頑張ります!すみません!かなり撮りだめてるんです(笑)例えば『北斗の拳』(※)の時も、アップしながら動画を撮ったりとか、メイクをした状態でジャージで過ごしているような空き時間にちょっとコメント録りしたりとか…めちゃめちゃたくさんあるんですけど、タイミングを逃したり、後から見返したら「何言ってんだこいつ!?」って思っちゃったりして。


そういうところですよね、本当に(笑)自分に自信がないところが私の課題です。なので、これからはもうちょっと「ま、いっか」という気持ちを持って、お客さんも楽しんでくれたらいいなと思って色々やっていきたいなと思っております。この勢いがあるうちに!(笑)


(※「ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』」:2021年12月から上演された、原作・武論尊、作画・原哲夫による大人気漫画『北斗の拳』のミュージカル版作品。2022年10月には再演が決定している。通称「アタタミュ」)


ーーー 今後、Bitfanを使ってやってみたいことはありますか。


ラジオをやりたいです。お便りを先にいただいて、コーナー作って読むとか。ラジオっていつでも再生できるっていうのがいいですよね。画面を見なくていいから、掃除しながらとかお風呂に入りながらとか、遠くで流しておくことができる。結構好きなんです、ラジオ。しかも、聞いてくださるのは自分のファンの方だけ、とできるのがまた、私にとってはありがたいなと思います。



「夢を持てている自分」を大好きになって

ーーー これからの活動の目標を教えてください。


全国、行きたいですね。舞台で全国ツアーにももちろん行きたいんですけど、自分のライブで行けたらいいなと思うんです。けど、そのためには私も自分の曲を持たないといけないなと。


今は他の方々の曲を俳優としてカバーしている感じなので、もしオリジナル曲があったらもっとやりやすいのかなと思ったりして。歌を全国の人に届けることができたら素敵だなと思っています。


ーーー 2022年7月から11月にかけて、ミュージカル『ミス・サイゴン』へ、エレン役として出演されます。ぜひミス・サイゴン出演への意気込みをお願いします。


コロナ禍による中止を乗り越えた2年越しの公演となるわけで、おそらく皆様の期待値、さらには世界からの期待値も高まっていると思います。


初めてエレンとして作品に入らせていただくのですが、作品の中でのエレンの立ち位置は相当難しいものです。やっぱりキム目線になると「クリスという恋人を自分から奪った女」みたいな悪役になりかねない。ですが、『ミス・サイゴン』の世界において「悪」は存在しないんです。みんな一生懸命に生きている、それだけ。


お話の最後では、キムとクリスの子どものタムをエレンとクリスが引き取ります。「タムはきっとこれから幸せになれるだろう」という希望をお客さんに持ってもらえるよう、ただひたすら必死に生き抜くエレン像を作りたいなと思っています。


ーーー ありがとうございます!上演を非常に楽しみにしています。それでは最後の質問とさせていただきます。松原さんにとって、ファンとはどのような存在ですか?


今、ぱっと出てきたのは「支え」っていう感じ。本当にもう、元気の源です。ありがたいことに私のファンの方々は、私がどういう状況でも、元気な時も元気じゃない時もいつでも変わらず応援してくださるので、生きる力です。


ーーー 本当はここでファンの方々に一言を、といつもお願いしているのですが、その前に。インスタの質問コーナーで「将来ミュージカルに出たい」という方からの質問が多く見受けられたので、ぜひ夢を目指す皆さんへエールを。


「やりたい」と思える夢があるということ自体が本当に素晴らしいと思います。なんとなく人生を生きちゃう人もたくさんいるのに、その中で「夢がある」のはとても価値のあること。その「夢を持てている自分」を大好きになってください。どんな未来になろうとも、自分を大好きなまま進んでいってください!


ーーー それでは本当に最後に。ファンの方々に向けてメッセージをお願いします!


いつも応援ありがとうございます!7月からは『ミス・サイゴン』がいよいよ始まります。私もエネルギーに満ち溢れている時期なので、このエネルギーを皆様にお返しできるように、色々なコンテンツを使って楽しんでいただけたらなと思っていますので、今後ともよろしくお願いします!


ーーー ありがとうございました!



松原凜子 official site 「凜と。」 - Bitfan



■Profile/松原 凜子




1992年2月18日生まれ、岐阜県出身。

東京藝術大学音楽学部声楽科ソプラノ専攻卒業。

4オクターブ超えの声域を持つ。


<主な出演作品>

東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』(2017年)

東宝ミュージカル『GHOST』(2018年、2021年)

東宝ミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』(2019年)

東宝ミュージカル『ラ・マンチャの男』(2019年)

『オペラ美しきまほろば~ヤマトタケル~全二幕』(2021年)

オリジナルミュージカル『いつか~one fine day』(2021年)

ミュージカルミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』(マミヤ役)(2021年)

東宝ミュージカル『ミス・サイゴン』(エレン役)(2022年)


公式Twitter:@matsubararinko
公式Instagram:@rinko_matsubara

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