【前編】jizueがリスペクトする音楽を集めたプレイリストを公開。影響を受けた楽曲から、3人の音楽観を紐解く|DIGLE MAGAZINE

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2022/01/14 17:00

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<目次>
▶︎ jizueが一番影響を受けた音楽
▶︎ ピアノに憧れるギタリスト



DIGLE MAGAZINEとオールインワン型ファンメディア『Bitfan』が送る、“アーティスト活動”にフォーカスしたインタビュー企画。アーティスト選曲のプレイリストと共に、これまでの道のりやファンとの関係について掘り下げます。

(本記事は、DIGLE MAGAZINEに掲載された記事の転載です。)


今回は京都のインストバンドjizueが登場。前編をお届けします。

※取材は2021年に行われたものです。





京都発のインストバンド・jizue。彼らの音楽は美しく、技術に優れ、そして何より情熱的だ。絵本の世界に招かれたようなストーリーを感じる旋律、演者のエモーショナルな思いが乗り移ったような音色、テクニカルなプレイで興奮を生み出すアンサンブル。この音楽は言葉よりも雄弁に語りかけてくる。


「jizueを形成する音楽」というテーマでプレイリストを作ってもらい、彼らがリスペクトする音楽について語ってもらった。Pat Methenyの流麗なジャズもあれば、Sigur Rósの壮大なサウンドスケープもある。エキゾチックな音階をスキルフルなプレイで聴かせるTigran Hamasyanや、芯に迫る熱量で歌うBRAHMANなど、いずれも彼らを音楽を形成する重要なピースだろう。プレイリストを写し鏡に、jizueの音楽性が多角的に浮かび上がってくるのを感じるはずだ。


12月にはアルバム『Garden』のリリースや、京都市交響楽団を迎えたオーケストラ公演を控えるjizue。活動15周年を迎え、ますますその音楽に磨きをかけているメンバーたちに、ZOOMを繋いで話を聞いた。





■ jizueが一番影響を受けた音楽

ー「jizueを形成する音楽」というテーマでプレイリストを作っていただきました。ご自身がセレクトした楽曲に対して、どんな印象を持っていますか。


井上 典政:

どの楽曲もテクニカルなことをしていても、どこか耳に残るメロディやリズムがありますね。改めてメロディが綺麗よなあと感じますし、そこは凄く重視して聴いていると思います。



ー今のお話はそのままjizueの特徴にも置き換えられますね。


井上 典政:

僕らも曲を作る時には凄く意識しています。やっぱり音楽である以上、難しいことをしてもメロディを伝えたいですし、心に響くようなところは残したいんですよね。


ー山田さんはどうですか?


山田 剛:

僕は影響を受けた音楽を時系列で並べてみました。中学校の時に初めて洋楽を聴いて感動したのがOasisで、その後Incubusを知ってバンドサウンドを好きになったんですけど。jizueとして初めて希依ちゃんとスタジオ入った時に、お試しでやってみたのがChick Coreaの「Spain」だったりして、僕の思い出になっている曲ばかりです。



片木 希依:

私も凄く影響を受けた音楽を順番に並べていっている感じです。大学の時に現代音楽を専攻していたんですけど、その時に高木正勝さんとかworld’s end girlfriendを知って、その後上原ひろみに出会い韻シストを聴くようになって。私の中で大事な出会いになった音楽ばかりです。山田くんや井上くんとは好きな音楽をシェアしているので、みんなが選んだ曲を足したら、いい感じにjizueの要素になるんじゃないかな。



ー最も影響を受けている曲をひとつ選ぶとしたら、どの曲になりますか?


井上 典政:

僕はPat Methenyです。彼はジャズの中でも凄くギターで歌う人で、綺麗な曲だなと思います。技術ももちろんあるんですけど、楽曲の美しさやメロディラインにずっと惹かれています。見た目もダサすぎてカッコ良いというか(笑)、Tシャツにジーパンみたいな姿も渋くて好きですね。

山田 剛:

Incubusの「Wish You Were Here」は、自分の転機になった曲のように思います。メロコアしか聴いてなかったような10代だったんですけど、20代前半の頃にこの曲を聴いて、バンドサウンドの壮大さを知ったというか。変拍子も多用するバンドなので、そういう点でも今の礎になっている気がします。


ー片木さんは?


片木 希依:

上原ひろみさんだと思います。ずっとクラシックを勉強してきたんですけど、三つ上の兄がいて、AIR JAM世代のバンドやメロコアに凄く影響を受けていたんですよね。それで自分が好きなBRAHMANとかヒップホップ、ブラックミュージックに、ピアノが上手く結びつかない気持ちがあったんですけど、上原ひろみさんのバンドを聴いた時、こんなにピアノとしてエモーショナルなことができるんだと知りました。そうしたピアノの在り方もそうですし、当時はジャズのこともあんまり知らなかったので、割と全部が衝撃的で、次の日すぐにCD屋さんに行きました。


■ ピアノに憧れるギタリスト

ーここ数年で出会った曲で、感銘を受けたものはなんですか。


山田 剛:

僕はTigran Hamasyanです。

片木 希依:

私はAvishai Cohen。2017、8年あたりにイスラエルジャズが流行った流れで聴いていました。


ーおふたりとも東欧やラテンの音楽ですね。


片木 希依:

jizueは日本っぽい音階を使うことが多くて、日本の風景や大自然の風景が見えるような曲がたくさんあるんですけど。イスラエルジャズって中東音階を上手く消化していて、民族性が音楽の中に入っているのが魅力的で、そういう意味でjizueは全員はまってました。

ーどちらも自国の文化や風景が音になっているということですね。確かに日本情緒溢れる音階こそ、jizueの魅力だと思います。


井上 典政:

剛が作るメロディには、その感じが凄くありますよね。たぶん山田くんの中に田舎臭さが染み付いているのかなと思います。


ー(笑)。


山田 剛:

そうですね。僕が作っている曲は「sister」とか家族のことがテーマにあったりするので、田舎臭さが十二分に出ちゃうんじゃないかなと思います(笑)。



井上 典政:

聴く度にそうやなあ、あの畑の中で育ったらそうなるわなあって、僕も思い出します。


ー片木さんがセレクトしたSigur Rósも、自然の風景が浮かぶ音楽ですよね。


片木 希依:

Sigur Rósの「Hoppipolla」は、たぶんjizue全員大好きです。私は何故かこれを聴くと琵琶湖が浮かぶんですよね。目の前に大自然の風景がバーっと開けていく音楽ですし、風景が見える音楽っていうのは、この曲から影響を受けたのかなと思います。


ーなるほど。


井上 典政:

言葉がない分、風景が浮かぶような曲を作りたいという思いがあるんですよね。僕は音楽で感動を与えたいという気持ちが凄くあって、オーケストラ調の曲が好きなのも、そういうところからきているのかなと思います。


ーjizueは楽曲ごとに3人が作曲をしていますが、どういう風に制作を行っているんですか?


山田 剛:

結成当初からセッションで作るようなことはなくて、それぞれがパソコン上で仕上げて行きます。完全に一人ひとりがその曲ごとにテーマを置いて、それぞれ作ったものを投げますね。


ーできてきた曲に関して、その曲のテーマやイメージなどをお互い共有していますか?


山田 剛:

井上くんが失恋した時、その思いを曲にしたものはあったよね?

片木 希依:

「Tower」とか?(笑)。「Tower」は大都会に飲まれた話やんな?

井上 典政:

そうだね。「hitorinouta」も、ちょっと寂しい時にひとりも悪ないなっていう曲です。


ー井上さんがここ数年で感銘を受けた曲はなんですか。


井上 典政:

Now Vs Nowの「Big Pump」ですかね。コードの響きや楽曲の雰囲気も好きですし、この曲はループがカッコ良くて、こんだけ同じフレーズを回してても聴かせられるのは、技術があるからやろなって思います。しかも簡単なループじゃなくて、実は拍の取り方が難しかったりマニアック要素もあって、「Big Pump」には演奏することの面白さが詰まっているように思います。


ーNow Vs Nowは鍵盤奏者のプロジェクトですよね。井上さんも上原ひろみの楽曲をセレクトしてますし、ギタリストでありながら、鍵盤を弾くミュージシャンに影響を受けるんですかね?


井上 典政:

そうなんですよ。僕は鍵盤が好きで、曲を作る時も絶対にピアノから作ります。ギターは一番最後になるので、何乗せたらいいかわからないくらいです(笑)。


ーということは、上原ひろみの「Spiral」からも大きな影響を受けていそうですね。


井上 典政:

jizueを結成した頃にふらっとライブを見に行ったことがあるんですけど、その時のライブが衝撃的でした。インストでいけるって思えたのはそのライブを見たからかなと思いますし、ピアノと(一緒に)何かしたいと思ったのも、そのライブを見たからかもしれません。その日のライブは前半でピアノの弦を切ってしまうくらい激しいライブで、それに圧倒され過ぎて、僕は影響を受けているというか尊敬してますね。



後編を見る→


(『DIGLE MAGAZINE』編集部 文: 黒田 隆太朗)


jizue official fanclub "shiori" – Bitfan

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