【Pick Up Owner #38】三村遙佳|たくさんの「楽しい」を一緒に共有したい
DJをテーマにしたアニメ・ゲーム・ライブなど様々な領域に展開するメディアミックスコンテンツ「D4DJ」でメインユニットの一つ、Happy Around!のVJ・大鳴門むに役をつとめる声優・三村遙佳。舞台女優やタレントとしても幅広く活動する彼女が声優を志したきっかけや「一ヶ月間ほとんど人に会わずに練習に打ち込んだ」という思い出の作品について、また昨年夏に開設した自身初のファンクラブへの思いなどを訊いた。
三村遙佳オフィシャルファンクラブ「With haruka」 - Bitfan
- コンプレックスだった「声」をお仕事に
- 「この役を演じたのが三村遙佳でよかった」と思ってもらいたい
- ゼロからの挑戦を乗り越えて
- ずっと作りたかったファンクラブ
- 初のセルフプロデュースイベント
- みんなの笑顔のために
■コンプレックスだった「声」をお仕事に
ーーー それでは、自己紹介から伺えればと思います。
三村遙佳です。1994年10月27日生まれ、出身は北海道です。
ーーー 芸能活動を始めたのはかなり早かったとか。
もともとは地元の北海道で芸能スクールに通い始めて、そこから芸能関係の色々なお仕事をさせていただいていました。5年前に上京して、今は声優を中心にタレント活動を行っております。
ーーー となると、スカウトされたりして?
小学生のころからお昼のドラマが大好きで、学校から帰ってきたら真っ先にお母さんが録画してくれていたドラマを見る、というのが毎日の日課だったんです。
「私もこんな風にキラキラ輝きたい!」と思って、小学生ながら芸能事務所のオーディションを探し始めました。どの事務所が一番昼ドラに出ている女優さんが多いのかを自分なりに調べて、応募して。そこでスクールのレッスン生となったのが始まりです。
ーーー 事務所の強みまで自分で調べて応募する小学生、すごいですね…。
当時読んでいた「ニコラ」や「ピチレモン」といったファッション雑誌に載っているオーディション情報から頑張って探していました(笑)
スクールに入ってからはモデル事務所に所属したりと色々な経験をさせていただいて、最終的にアイドル事務所に入ることになったんです。北海道にもAKB48さんのように劇場を持っているアイドルグループがあって、そこからお声がけをいただいて劇場型アイドルとしての活動を始めたのが、高校生の時です。
ーーー 幅広く芸能活動をされていた三村さんが声優を活動の中心に据えようと考えたきっかけは。
私は地声がすごく高くて…自分では全然、そうは思ってはいないんですけど。
中高生のころは学校でこの声をいじられることがとても多くて、それが本当に心から嫌だったんです。
自分は全く普通にしゃべっているのに、初めて話す相手からは毎回のように「その声って作ってるんでしょ?」「それって本当に地声なの?」と言われていました。「普通に話しているのに、なんでそんなに声のことばっかり言われなきゃいけないんだろう」と悩み、声のことをいじられたくない一心であえて声を低くして喋ったり、どうにかして声を低くする方法がないかネットで調べたりもしていました。
でも、周りの人からずっと声をいじられていたからこそ「この声を武器にできるお仕事はないのかな」とも考えられたんだと思います。その時、声優というお仕事に改めて興味を持ちました。
■「この役を演じたのが三村遙佳でよかった」と思ってもらいたい
ーーー 「D4DJ」に登場するユニット・Happy Around!の大鳴門むに役を努められていますが、この大役が決まった時はいかがでしたか。
私にとってD4DJという作品は声優としてチャレンジする初めての大きなコンテンツだったんです。だから、むにちゃんに選ばれた時は、すごく嬉しくて!
でもその反面、やっぱりメイングループのキャラクターですし、緊張する気持ちもあって。もちろんレッスンにも通わせてはいただいたんですが、声優としてのスキルをもっともっと磨いていかなければいけないなと強く感じ、自己練習を増やしました。
実際のアテレコ現場のようにマイクに声を吹き込んでみるようなレッスンだけではなく、自分でできることがないかを考えては色々と試していましたね。
「外郎売(※)」を毎日のように唱えて滑舌練習をしたり、アニメの映像に合わせてセリフを録音したものと実際の声優さんのセリフを比べては言い回しや強弱の付け方を勉強したり。
アニメだけじゃなく、フルボイスのアプリゲームでも練習していました。セリフが全部テキストでも表示されるので、まずは自分なりに読んでみてから実際のセリフを聞いて、という練習にはぴったりなんです!
大きいコンテンツに入るのが初めてだったとはいえ、周りから「下手だな」って思われるのは絶対に嫌だったので、どうしても今の自分の100パーセント以上の実力をこの作品でしっかり出したかったんです。
みんなに認めてもらえるよう、この役を演じたのが三村遙佳でよかったと思っていただけるよう、すごく気合を入れて毎日練習していたのを今でも鮮明に覚えています。
(※外郎売:「ういろう」の由来、薬効を早口言葉で演じるせりふ芸であり、歌舞伎演目のひとつ。滑舌練習の優れた題材として声優やアナウンサーなどに広く親しまれている)
ーーー D4DJでは同じ役柄を声でも、ライブパフォーマンスでも演じられています。声だけの演技とステージでの演技で、向き合い方に違いはあるのでしょうか。
私が演じる大鳴門むにちゃんは、結構ツンデレな女の子なんです。素直になれず、人に対してツンツンしてしまう癖がありつつも、自己承認欲求がかなり強くて、みんなに「可愛い」と思ってほしいと思っている。そのツンデレ感、ギャップはステージの外…アニメやアプリゲーム内だけで見られる面なんです。
ステージの上、ライブではキラキラしたとびきりのアイドルとして、笑顔を絶やさず一生懸命歌って踊ります。「ぎぶみーAwesome!!!!」という曲はそんなむにちゃんらしさがいっぱいに詰まった一曲なんです。
ーーー ライブでは歌とダンスでの演技も必要ですよね。こちらはまた別の練習が必要になりそうです…。
私自身はもともとアイドルをやっていたので、むしろ声優としての声の演技だけじゃなく、むにちゃんとして歌とダンスでライブもできるのが本当に嬉しいし、楽しいんです。その気持ちでできちゃいますね。
やっぱり、ステージ衣装を着ると気合が入ります。もうステージに出る前から、衣装を着るとむにちゃんが憑依するというか…。衣装を着ることで、むにちゃんになりきれるんですよ。常に完璧なむにちゃんをみなさんにお届けできるよう、頑張っています!
■ゼロからの挑戦を乗り越えて
ーーー 今まで出演した作品で、一番印象深かったエピソードを教えてください。
それは…落語作品ですね。
私、せりふを覚えるのが苦手で。落語なので、一人で話し続けないといけないんですよね。オファーをいただいた時は「ぜひ!」とお答えしたものの、だんだん不安になってきて。そもそも落語というもの自体にそれまであまり馴染みがなかったのもあり、まさか20分も話し続けるとは思っていなかったんです。
落語の経験がある方にどんな感じなのか聞いたら「数十ページもある台本を全部覚えなきゃいけないから、結構大変だったよ」とお聞きして…どうしようかと思いました。
数十ページ分の台本なんてもちろん経験がなかったですし、覚えきれるのか心配でした。いざ稽古の時に台本をいただいてみたらもう、今まで見たことのない文字数にただただびっくりしてしまって!
「どうやってこんな量のせりふを覚えよう」「途中で飛んでしまったらどうしよう」と不安がいっぱいでした…。
そこからの一ヶ月間はお仕事以外ほぼ誰とも会わずに、40ページはあった台本をボイスレコーダーに吹き込んだものをひたすら聞いては声に出して唱えるのを繰り返して、必死に落語と向き合いました。
結果、当日はちゃんと40ページ分のせりふをしっかりと演じ切ることができました。
長せりふへの苦手意識も、この作品を経験したことによって「私は20分間の演目を一人でやりきったんだから、もうどんな長いせりふが来ても怖くない」と思えるように。自信がつきました。
ーーー 一般的な舞台だと他の出演者さんもいますし、セットや演出含めきっかけも色々ありますが…落語は完全にお一人ですもんね。
そうなんです。しかも落語って、「間を取る」ことが大事なんですよね。お客さんが笑ってくれるタイミングをはかるのもとても難しかったです。
でも、ここぞというポイントでお客さんが笑ってくださった時は嬉しくてどんどんやる気が出てくるんです!せりふを読むだけじゃなく、もっと面白さが伝わるように、もっと笑ってもらえるように、「ここをこうしたらもっと楽しんでもらえるんじゃないかな?」と考えられるようにもなって。
完全にゼロからの落語への挑戦だったんですが、無事に終えることができて本当によかったなって。大変な思いもしましたがその分自信にも繋がったので、今は出演してよかったと心から思っています。
ーーー 活動を続けるためのモチベーションとはなんですか。
これは間違いなく、ファンのみなさまからのあたたかい応援です!私はなかなか自分に自信が持てないタイプで、すぐ落ち込んでしまうことも多くて。そんな時でも直接会いに来てくださったり、メッセージやファンレターをくださる方々がいるおかげで励まされますし、頑張れるんです。
ーーー これからやってみたい役はありますか。
今はどちらかというと「かわいい」タイプのキャラクターの役をいただけることが多くて。 もちろんそれもとても楽しみながらお仕事をさせていただいてるんですけども、今後は「かっこいい」タイプの役もどんどんやってみたいです。
キャラクターの性格や役割によって、話し方もクールだったり優等生っぽかったりと全然違いますよね。歌う声のトーンも全く違う。作品ごとに全然違うキャラクターを演じられる、様々なキャラクターになれるというのは声優というお仕事の魅力だなって思うんです。
■ずっと作りたかったファンクラブ
ーーー 2023年7月に無料サイトとしてBitfanでサイトをオープンしていただき、8月からファンクラブを始めていただきました。ファンクラブを開設しようと考えたきっかけを教えてください。
ずっとファンクラブに興味があったんです!ファンの方と私にとっての大切な居場所ができるって、とても大きなことですよね。以前所属していた事務所ではファンクラブの前段階としての「プレファンサイト」までは作っていただいたのですが、正式なファンクラブというのはまだなかったんです。
なので、事務所から独立しフリーランスとなったタイミングで開設を決めました。
ファンのみなさんには今までにないコンテンツが詰め込まれた場として、とても楽しんでいただけているんじゃないかなと思っています。
ーーー イチオシのコンテンツは。
力を入れていることは特に2つです。
SNS上で画像をアップすることはよくあるんですが、動画はあまり上げないんです。なので、ファンクラブではあえて動画を出していくようにしています。
お仕事の裏側のオフショット動画だったり、あまり見せることのないプライベートでお出かけした時の動画だったり。ファンクラブに入っている方限定で、普段はなかなか見られない裏側の様子まで楽しんでいただけるように工夫して更新中です。
ーーー 旅行vlogを拝見しましたが、完全自撮りなのがまたプライベート感満載で。
いつも画角がアップになりすぎてうまく撮れないのが悩みです(笑) でも、それも含めて私らしいのかなって。
あとはチャット機能です!
ファンの方たちとよくやりとりをしているんですが、気軽にLINE感覚で送れるのがお気に入りです。最初はしりとりなんかもしていました(笑)
もう思いついたら送っちゃうような感じで、朝起きたら挨拶しなきゃとか、お仕事から帰ってきて一息ついたときに「今みんなは何してるのかな?」とか。ふとした時にいっぱい送っています。
ーーー では「With haruka」入会を悩んでいる方に向けて、アピールをお願いします!
With harukaでは、ファンクラブ内でしか見られないブログ、画像、動画、チケットの先行予約、お誕生日メッセージやチャットなど、様々な会員限定コンテンツが盛りだくさんですので、より私を深く知っていただけると思います。
まだ迷っている方も、ぜひ気軽にご入会していただけたら嬉しいです。
皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります!
■初のセルフプロデュースイベント
ーーー 先日開催されたバースデーイベントについても伺えれば。初の完全セルフプロデュースイベントだったそうで。
そうなんです。これが本当に大変だったんです…!
イベントの流れ、客席の構成、自分の台本、ステージ装飾、使う音源、当日のスタッフ側のタイムスケジュールなど、全部自分で考えました。スタッフさんのお弁当や楽屋に置くお菓子の手配も自分です。
ここまで自分でイベントを作り上げたことがなくて。今までは事務所の方にやっていただいたことだったので、どうやってタイムスケジュールを組んだらいいのか、イベントの企画構成はどう考えたらいいのか、台本の作り方だってわからない。
もうわからないことだらけで毎日パニックになっていたんです。スタッフとしてお手伝いしてくださった方々、当日参加してくださったファンのみなさんの協力がなかったら、できなかったと思います。
私はファンの方に涙を見せるのがすごく嫌で…絶対に笑顔でいたいタイプなので今までは涙を見せたことがなかったんですけど、最後の挨拶のときには号泣してしまって!
「フリーランスになってから初めての自分でプロデュースしたイベント、無事に終わることができました!」と言った瞬間にブワッと涙が出てきてしまって。いつも絶対泣かないのに、自然に出てきてしまって…堪えることができませんでした。
フラワースタンドやプレゼントを選んでくださった方はもちろん、イベントに会いに来てくださったファンのみなさんのあたたかい応援には本当に助けられました。
イベントを作ることがこんなに大変なんだと知って、これまでスタッフさんが当たり前のようにやってくださっていたことがどんなにありがたかったのかも、改めて感じることができました。
ファンのみなさん、関係者の方々、みんなが支えてくださったおかげで無事にイベントを開催できました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ーーー イベントのレポートブログだけは画像のダウンロードもOKにされていましたよね。
はい。フラワースタンドと一緒に撮った写真など、保存したい方がいるんじゃないかなと思ったので。この記事に使ってある写真だけは保存OKにしてあります。ファンクラブならではのこだわりとしてやってみました!
ーーー 今後、ファンクラブでやってみたいことはありますか。
私はまだ「ファンクラブ限定」のイベントをやったことがないんです! ぜひやってみたいなと思っています。
ーーー このインタビュー企画にご登場いただいたオーナーの方々、みなさん「ファンクラブ限定のイベントは他のイベントと雰囲気が全く違う」とおっしゃいますよ。楽しみですね。
そうなんですか?すごく気になります。
ファンクラブ限定のバスツアーとかいいなって。夏はみんなで花火を楽しんで、冬はイルミネーションを見に行くとか。日本の四季をファンクラブのみんなと一緒に楽しむイベントをやってみたいんです。
■みんなの笑顔のために
ーーー 三村さんにとって、ファンのみなさんはどのような存在ですか。
私の中では、家族みたいな存在です。
いつも、どんな時もそばで応援してくれて、メッセージをくれたり、本当にみなさんのおかげで頑張れているので、これからも応援してくれるみなさんに、私からも元気やパワーを与えていけたらなと思っています。
ーーー では最後に、ファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。
いつも応援していただきありがとうございます!
これからもみなさんにたくさんの「楽しい」を一緒に共有できるように、そしてみんなにいっぱい笑顔になってもらえるように精一杯頑張っていきますので、これからもぜひ応援してください。よろしくお願いします!
三村遙佳オフィシャルファンクラブ「With haruka」 - Bitfan
■Profile/三村遙佳
『D4DJ』Happy Around! 大鳴門むに役、『アサルトリリィ』ヘルヴォル 初鹿野瑤役など、アニメやゲームで声優として活躍するほか、舞台『DEVIL MAY CRY ーTHE LIVE HACKERー』や舞台『ゲゲゲの鬼太郎』など、2.5次元作品の舞台にも出演。声優・タレント・グラビアなど幅広いジャンルで活動している。
Instagram https://www.instagram.com/mimuraharuka_1027/
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