【Bitfan Meetup #1】第一部「ファンコミュニケーションの海外トレンドとBitfanの今後の展望」〜「デジタルファンクラブ3.0」の時代における、ファンクラブのあるべき形とは〜
Bitfanでは「オーナーの皆様の生の声を聞きたい」という開発側の声と「オーナー同士の交流の場が欲しい」というオーナーの皆様の声を受けて、初めて、オーナー交流イベント『Bitfan Meetup』を開催した。第一回のテーマは「Bitfanの活用方法と今後の展望」だ。今回は、参加を少人数に制限した招待制のイベントとして実施。
イベントは二部構成で行われ、第一部では、ファンプラットフォーム「Bitfan」のプロダクト開発責任者である小久保知洋(株式会社SKIYAKI 代表取締役)が、「ファンコミュニケーションの海外トレンドとBitfanの今後の展望」について紹介した。
トークの中では、これまでの日本のファンクラブの変遷や、双方向のコミュニケーションを主体とした「デジタルファンクラブ3.0」、クリエイターエコノミーと海外のファンクラブ事情を踏まえて、これからのファンクラブのあり方について語った。
第ニ部の「ファンとのつながりをつくるBitfanの活用術」をテーマにしたパネルディスカッションについては、こちらのイベントレポートをご覧いただきたい。
■双方向のコミュニケーションを主体としたデジタルファンクラブ3.0へ
トークの前半では、日本のファンクラブの変遷とこれまでのBitfanのコンセプトの変遷について紹介した。
小久保
初期のファンクラブ(1980〜90年ごろ)といえば、会報誌の発行やチケット先行を主体とした「アナログファンクラブ」が主流でしたが、ガラケーの普及により、1999年ごろから、着メロや待ち受け画像などを主体とした、「デジタルファンクラブ」が始まりました。その後、スマホの普及により、動画コンテンツが簡単に提供できるようになり、コンテンツがよりリッチになっていきました。
そしてコロナにより加速された部分もありますが、2020年以降は、ライブ配信などの、よりリアルタイムで、双方向のコミュニケーションが重要となる「デジタルファンクラブ3.0」の時代を迎えています。
■2018年のリリース以降、コンセプトを2回変更してきた「Bitfan」
小久保
2018年にサービスを開始したBitfanでは、これまで2回にわたり、コンセプトを変更してきました。
1. 熱量の可視化(ポイントのトレード)
2. SNS一元化、海外ファン向け翻訳対応
3. オールインワン型ファンプラットフォーム
サービス立ち上げ初期は、「ファンの熱量を可視化する」というテーマを全面に打ち出していました。ファンの熱量をポイントの形で可視化し、そのポイントをトレードできるというコンセプトでした。
※トレード機能は現在、廃止しています。
2020年4月に、Bitfanアプリのリリースに伴い、コンセプトも全面的にリニューアルしました。TwitterやYouTubeなど分散しているSNSの情報を一つにまとめて見れるように一元化し、また、海外ファンにも届けられるように、アプリを55ヵ国で配信、自動翻訳機能の追加などを行いました。
そして、2021年8月に「ファンのためにできることを。オールインワン型ファンプラットフォーム」へとメッセージを一新しました。
小久保
この2年くらいプラットフォームの開発をやってきて、色々な「こういうことがやりたい」が一つのプラットフォームでできる、ということが求められているんだと感じています。たとえファンが0人の状態でも、プロフィールとスケジュールだけは必要になると思うのですが、SNSではフローで流れていってしまうので、公式サイトとしての何かしらの箱が必要だと思っています。
なので、まず活動を始めた時にBitfanを作っていただいて、段々ファンが増えてきたらファンクラブの有料化メニューを入れていくというような、最初からずっと使えるサービスにすることも目指しています。
直近のBitfanでは、ライブ配信やグループチャットなど、よりコミュニケーションを活発化させるための機能や、マネタイズ方法の拡充に注力しています。
■「クリエイターエコノミー」と海外のファンクラブ事情
続いて、「クリエイターエコノミー」についての解説と海外のファンクラブ事情を踏まえながら、これからのファンクラブのあるべき形について語った。
小久保
「クリエイターエコノミー」は、2020年頃から世界的に急速に立ち上がり、市場規模が1,042億ドル(約10兆円)とも言われ、全世界には約5,000万人のクリエイターがいると推定されています。海外では、Patreon(パトレオン)やCameo(カメオ)などをはじめとして、既に200を超えるサービスがあり、複数コース設定が可能であったり、1on1ビデオや、カスタムメッセージのリクエストなど、多様なコンテンツが存在しています。
現在は、音楽のファンクラブに限らず、色々なものが有料コミュニティ化している、と言われています。例えば、音楽とは関係ない新聞業界でも、ライター自体が力を持ち始めて、大手の新聞社からスピンアウトして、自分でSubstackでメルマガを発行して、そこで1億円稼ぐ世界になっていたりとか。全ての領域で、個人化していって、そこにコミュニティを作って、直接マネタイズするということが起きています。
■これからの日本におけるファンクラブ、そして「Bitfan」の目指すところ
小久保
日本では「推し」という文化があり、海外のサービスだけを見ていてもダメ。Bitfanの開発に携わる中で、日本のファンとアーティストの関係は非常に繊細なバランスの上にある、という学びがありました。
近年は、NFTやメタバースなどが話題となっていますが、初期のBitfanでは、ファンの熱量をポイントの形で可視化したことにより、「ファンに差をつけるな」とお叱りを受けたこともありました。その中で、ファンとアーティストの関係は非常に繊細なバランスの上にあり、その関係性を深く洞察しなければいけない、ということを学びました。
アメリカ式のマーケティングや、海外のトレンドだけに流されすぎることなく、「ファンが喜ぶことをやる」ことを大前提にするのが重要だと考えています。
大事なのは「我々が作るプラットフォーム上で、ファンの毎日を彩るサービスをどうやって作れるか。そして、それをできるだけ彩ってあげたい。我々はそれに対してあと何ができるのか」という原則で考えております。
その上で、今よりもっと没頭できて、例えば「一日10分くらい楽しかったものが、もしかしたら5時間くらい楽しくなるかもしれない」というような、より良い体験を可能にするのであれば、新しいテクノロジーもどんどん使っていきたいと思っています。私たちの役割としては、この原則の下に、プラットフォームを進化し続けることかな、と思っております。
第一部の全容は、下記のアーカイブ映像よりご覧いただけます。
⇒第二部イベントレポートはこちらからご覧ください。
■Speaker
小久保知洋(株式会社SKIYAKI 代表取締役)
SKIYAKI入社時より現在まで、Bitfan グループ(開発部門) を担当。富士写真フイルム株式会社(現、富士フイルムホールディングス株式会社)、光画印刷株式会社、株式会社オン・ザ・エッヂ(株式会社ライブドア)執行役員、NHN JAPAN株式会社(現、LINE株式会社)執行役員、株式会社Cerendip代表取締役、株式会社Diverse取締役を経て、2019年、SKIYAKIに入社。2020年、代表取締役に就任。
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